鎌田雄一郎『ゲーム理論入門の入門』を読了。
中盤くらいまではスラスラ読めて、「おお、入門の入門だ」と思うが、ナッシュ均衡の非存在のあたりから雲行きが怪しくなる。そして、後ろ向き帰納法についてラーメン店の出店の事例を持ち出したあたりから、「あれ」と思う。極めつけは、不完全情報ゲームと完全ベイジアン均衡を扱う最終章。このあたりは、もはや入門ですらない。
詳しい人が、どうやって詳しくない人に伝えるのかを苦心したあげく、かえって分かり難いものが出来上がってしまった典型例のように思えた。
ある程度分かっている人が読むと、その理解を深めることになるのかもしれないが、初学者がこれに手を出すのは危ない。
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