エーベル・バーナンキ『マクロ経済学(下)』 | (元)無気力東大院生の不労生活

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勤労意欲がなく、東京大学の大学院に逃げ込んだ無気力な人間の記録。
学費を捻出するために、不労所得を確保することに奮闘中。
でした。

 エーベル・バーナンキ『マクロ経済学(下)』を読了。

 先日、上巻を読了しましたが、今回は引き続き下巻を読了。下巻は、古典派とケインズ派の相違が丁寧に解説されており、非常に勉強になりました。

 

 特に最近の傾向だと思いますが、一部の日本の政治家が「経済通」だとされ、中には経済関係の閣僚となり、テレビ等にも出演して積極的に発言していますが、こういう本を読むと、彼らが、いかに「いい加減な」発言をしているのかが分かります。

 もちろん、この本に書かれていることは「正解」ではありません。一つの立場に過ぎません。ただし、非常に整合性の取れた一つの立場です。もし、この本に書かれているようなことと違う主張をするのであれば、相当の知識と論理、そしてデータが必要です。

 しかし、日本の「経済通」の政治家の発言を聞く限り、そんな知識や論理、ましてやデータはありません。そもそも、同じ番組内で発言された政策に整合性がないこともあります。

 「景気対策のために、政府が手を打つべきだ」なんて、一部の人々に人気がある某政党の幹事長が発言していますが、悪いことは言わないから、アメリカのFRBの議長にまでなったバーナンキ先生の本くらい読んでから発言して欲しいものです。アメリカ政府の高官は、絶対に裏で笑っているはずです。「次の日本の首相候補も、経済学の勉強なんて全然していない」って。

 私は氏の業績や政治的成果についてあまり評価していませんが、そういう意味では、一応、学者出身の竹中さんが経済閣僚に名を連ねていたのは、今となっては懐かしく思いますね(笑) 聞くところによると、何も分からない政治家さんたちに、経済の講義をしていたそうだし、、、

エーベル/バーナンキ マクロ経済学 下 マクロ経済政策編/Ben S.バーナンキ
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