天使降臨
さて、今回は前回の続きのお話です。そうです。ちょっと大柄な不思議な女性のお話です。
前回のブログを読んで頂ければわかりますが、少しおさらいしておきましょう。
私が徒歩で通勤して、とある交差点に差し掛かった時、大柄な女性が車道の中央線のところに立っていたというお話の続きです。その女性は、するするっと歩道まで進んできて私の目の前を歩き出したのです。否が応でも注目してしまう存在感がありました。その彼女が、ふと立ち止まったのです。勿論、その女性が気になっていたのでどんな女性か興味がありました。最初に視認したときから私の注意を意図的に引いているとしか感じられなかったからです。
そして、その女性が私を見つめたのです。その女性は大柄でしたから、私より若干背が高く、少し見下ろす感じて私を見つめました。その時、私が心の中で思ったのは、「この人、どこの国の人なんだろうか?」という疑問でした。
私は、今まで米軍に派遣されていたとき多国籍な環境の中で仕事をしてきた経験があります。その時は48カ国の兵士と共に仕事をしていました。ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アフリカ、そしてラテン系、様々な人種の人々と仕事をしてきましたが、この女性の顔は見たことがない、というか私が今まで出会って来た外国人の中に当てはまらない顔つきの方でした。
そして、その彼女は、私に日本式の丁寧なお辞儀をしたのです。私は驚き、お辞儀を返しましたが、多分、頭を垂れる程度の答礼だったと思います。そして、頭をよぎったのは、「どこかで会ったことがあったっけ?」という思いでした。
今まで、それこそ多くの外国人と出会った人生を歩んできましたので、頭をフル回転させて思い出そうと試みました。しかし、やっぱり、出会ったことの無い女性です。
「やっぱり、初対面だよな。初めてみる人種の方のような気がする。あのような面様は見たことが無い。でも、なんで俺に、あんなに丁寧なお辞儀をしたんだろう。会ったこともない人だし。全く記憶にない人だ。お店の店員なら、いざ知らず、初めて会った人に路上で深々とお辞儀をするだろうか?怖い!さっさと仕事場に行こう。」
こんなことを心の中で思いながらその場を急いで立ち去ろうとしました。すると、彼女は私の背後を、私を追い越さない程度の速度でついてくるのです。
「え~、怖いんですけど。なんで、ピッタリついてくるんだろう。まじで怖い。進行方向が偶然同じだと仮定しても、同じくらいの速度で歩いてこないよね、普通。」なんて思っていたら交差点に差し掛かりました。
直進方向の信号は赤です。直進して横断歩道を渡ってから、いずれ左折してもよかったのですが、この女性にちょっと恐怖心を抱いていたため、この交差点での直進はやめて、左折方向の信号が青だった為、反対車線側に渡ろうと決心したのです。
「これでこの女性と進行方向も違うからここで別れることになるだろう。ちょっと怖いもんな。」そして、道路を挟んだ反対側の歩道に向かって道路を横断し始めました。すると、なんと、その女性もついてくるではありませんか。
「え~っ、いや、偶然じゃない。明らかに付きまとわれてる。なんで?怖いな。でもこんな朝早くから変なこと出来ないよな。周りに人いっぱいいるし。」
そして、渡り切った後、また信号待ちをしていたときのことです。彼女が何やら話し始めたのです。周りで信号待ちしている人々は彼女が独り言(結構大きな声で)をしているのに全く気が付かないようです。そして、その独り言に耳を傾けてみると、なんと普通の日本人よりも流ちょうな日本語で話しているじゃありませんか。
「外人かと思いきや、日本人?全く癖のない綺麗な発音で日本語話す人だな。」
そしたら話の内容が何やらメッセージ色が強いというか、私に対して発せられているようなものだったのです。
女性「私が、初めてこの国に来たころは、よく人に騙されたものだったわ。良い国でも悪い人たちはいる。初めての国では、慣れない環境だから、悪い人に騙される可能性があるから気を付けないといけない。」
私「えっ、これ俺に言ってるのかな?俺が近く、東南アジアに行くって知ってて外国行ったら人に騙されないように気を付けなさいってこと?」と心の中で呟き、思わずその彼女に、Are you talking to me?って訊いてしまったのです。
その瞬間、信号が青に変わり、なんと彼女は車が走り始めようとしているにも関わらず、斜めに道路を横断し、反対側の歩道に進んでいきました。
「えっ、車にぶつからない!なんで?」そして、私の方に振り向いて、両手で私を指さし「あなたに言ったのよ。」とジェスチャーで返答していきました。
「何?何?何だ、この展開は?」そして、どうにも腑に落ちないので道路を挟み彼女と同じ速度で歩き、もう一度話かけたいと思いました。すると彼女は車が走っているにも関わらず、またもや車道を横断し、私が歩いている歩道のところに来ました。その様子は、なにか蝶々が道路をヒラヒラ舞って渡ってきた感じだったのです。そして私は、彼女を追いかけたのです。彼女は、何度も「あなたに言ったのよ。」とジェスチャーで訴えかけてきました。
でも、私はどうしてももう少し話を聞きたかったのです。
なんで自分の前に突然現れたのか?何故、自分が近く海外に行くことを知っており、そんな助言を私にしてくれたのか?疑問だらけです。怖かったけれども無我夢中で追いかけました。駅のエスカレーターを彼女は昇っていきました。
「早く追いつかないと、多分、彼女エスカレーター登りきったところで姿を消してしまう!」
必死に走って追いかけましたが、やはりエスカレーターを登り切ったところで彼女の姿は消えていました。これは、間違いなく天からのメッセージだと確信しました。彼女は天使だったんだ。人に騙されないように気を付けなさいという助言を与えてくれたんだと、確信しました。彼女の容姿は、自分が今まで想像していた、所謂、西洋画に描かれてあるような天使ではありませんでしたが、非常にインパクトがある容姿でした。今、思い返しても地球上の国の人の顔ではない感じでした。どこの国の人とも言えない、なんか不思議な面様でした。
色々なことを質問してみたかったのですが、それは叶わなかったんだろうと思います。これが、不思議体験の始まりだったのです。ここから不思議体験が、結節、結節現われるようになってくるのです。
次回は、ミャンマーへの旅を綴っていきたいと思います。最近、忙しく中々ブログ更新できませんが引き続き立ち寄って読んで頂ければと思います。宜しくお願いいたします。