ミャンマーについてネットであれこれ勉強していく日々を過ごしていたときのことでした。あるセミナー会社のセミナー開催のページに行きつきました。そこには、長きに渡りミャンマーと日本の橋渡しをし、ミャンマー支援を使命とし、奮闘してきた女性Mさんが行うセミナー開催の情報がありました。
彼女の経歴に対する正直な感想は、「大した女性だ。まだ若いのに様々な働きかけをし、ミャンマーの発展に寄与してきた人なんだな。また、我々日本人がミャンマー人とビジネスをする際、重要なポイントを取り纏めた本まで出版している。凄い!」というものでした。
私は、自衛隊という守られた組織、つまり親方日の丸の元で職務に邁進していたため井の中の蛙状態でした。でも、彼女の経歴からは、自分の使命を自覚され、自分の意思と周りからの様々な支援を受けながらも、しっかりと自分の「為すべきことを為す」に徹してこられた良い人生を歩まれていると思いました。
多くの自衛官は、米軍と比較してもかなり過保護に育成されています。しかし、その事実さえ気付いていないと思います。本当に彼らの生きている世界は狭められたものとなっています。日々の訓練・恒常勤務、特別勤務などでとても忙しい日々を送っているというのも一つの原因ではありますが、自衛官は自衛官であり特別職国家公務員であるため、それぞれ行動が制限されているため、俯瞰で物事を見聞・理解し、何らかのアクションを取り、実社会へのコミットメントが出来ないという理由から、世間に対し疎くなる傾向は否めません。
また、職務自体が困難なものが多いため、職務・任務達成のために多くの時間と努力を費やさなければならないという理由もあると思います。加えて、一般の部隊に配属された自衛官は、多忙な職務により、なかなか多くの様々な教育を受ける機会も減っているかもしれません。それぞれ部隊長の悩みどころは、隊員を休ませなければならないのに、無理にでも上級部隊に指導された機会教育や精神教育を受けさせなければならない、という現実でしょう。私も、このような状況・環境の中自衛官をやってきましたし、究極の場面に動かなければならない自衛官の宿命から自分たちが生きているのが究極の世界であるという自負をもって生きていたのです。しかし、結局は単なる世間知らずだったんですね。
私は、自衛官時代、リーダーシップの重要性、如何にリーダーシップを発揮し仲間を助け、国民の生命と財産を守るのか、如何に国を守るのか、そこにはそれぞれリーダーシップを強力に発揮できる幹部自衛官、陸曹自衛官がいなければならないという想いをもって米軍式のリーダーシップ教育や武士道精神に基づいたリーダーシップ教育を織り交ぜ英語教育や職務訓練を行ってきました。これは、何も自衛官だけに必要というわけではありません。警察官、消防官、海上保安官など危険な環境に身を置く必要がある方々にとっても非常に重要です。また、この武士道精神を骨幹として形成するリーダーシップは一般の方々、全ての日本人にとって必要なものだと心から信じています。
現代の日本社会は自由で平等を基調とした民主主義と自由経済を基調とした資本主義の中で生きています。この社会で武士道精神に基づいたリーダーシップを広めるのは非常に難しい仕事と言えます。以前のブログにも記しましたが、先ず多くの企業は、利益優先、会社の存続・維持・拡大が最重要課題です。人材育成は二の次です。一般の方々にしても、我良し、唯物主義、金儲け第一主義、他のことはどうでもよく、とにかく自分たちの権利の主張が重要だ、と考えている人が少なくありません。様々な法案について国会で審議されていますが、それさえも上っ面部分だけ見て、闇雲に反対と叫んでいます。本当に国益と国民の命と生活を守り、国を「和をもって尊しとなす」やり方で弥栄えさすのか思慮に欠けているとしか思えない行動をとる方々も多くいます。このまま進んでいけば必ず日本は亡国となってしまいます。今は日本国内ではなかなかリーダーシップ研修提供の機会を得ることは出来ませんが、外から変えることは出来るかもしれません。私は、その突破口としてミャンマーを考えるに至ったのです。
Mさんのように一生懸命頑張りながらミャンマーの発展に努力している方のスタミナ、献身さ、バイタリティー、行動力は賛辞に値します。このような方々の努力あってこそ誤解のない共存共栄を目指せる真のミャンマーとの友人関係が築けると思います。彼女に会った今だからこそこのように彼女を評価していますが、セミナーを聞く前は、一般社会でこのように活躍されている方のプレゼンとはどんなものか?私が自衛隊や米軍でやってきたプレゼントはどのくらい違うのか?という好奇心で観察しようという気持ちが強かったと思います。とりあえずMさんのセミナー受講を躊躇なく申し込んだ自分がいました。このセミナー参加が自分を動かす大きなトリガーとなったいったのです。
続く