八面六臂 versatile の大活躍 片岡愛之助
さて、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんと女優の藤原紀香さん目出度くご結婚し、披露宴を執り行いました。
片岡愛之助さんと言えば、上方歌舞伎の俳優さんです。
皆さん、歌舞伎には上方歌舞伎と江戸歌舞伎があるってご存知でしたか?
一年中、歌舞伎の公演をしているのが東京の歌舞伎座ですから、一般的には歌舞伎と言えば、江戸歌舞伎と思いがちです。
しかし、型や演出、演技法や演目は上方と江戸は異なるのです。
片岡愛之助さんは、上方歌舞伎片岡一門の俳優さんなのです。
彼は、大ヒットテレビドラマの「半沢直樹」の国税職員・金融庁職員である黒崎を演じてお茶の間で注目を集めました。
テレビのインタビューでよく彼が言っていたのが「この10何年、丸一日休暇を取ったことが無い!」というものです。
歌舞伎への出演(お稽古含む)だけでなく、数多くのテレビドラマへの出演、バラエティー番組への出演、また、歌舞伎養成塾等もやっておられるようです。
これこそ、八面六臂の大活躍と言えますよね。
さて、今回のお題は、この「八面六臂」という言葉です。
もともとは仏像である3つの顔と6本の腕を有している阿修羅が、「あらゆる方面で目覚ましい働きをした」とか「多才で一人で何人分もの活躍をした」ということを語源とした言葉です。
実際は三面六臂だったのですが、それが発展して八面六臂となったようです。
では、英訳するときはどうすればよいかということで、字面通り、8つの顔と6本の腕としても意味が通りませんので、意味となる「あらゆる方面で目覚ましい働きをする」とか「多才で一人で何人分もの活躍をする」という部分を英訳していけばOKです。
つまり、英語では、一言で versatile というものがあります。
「多才」という言葉ですね。
その他に少し日本人に馴染みのある言葉で all-round というものもあります。
日本語英語では、よく「オールラウンダー」なんて言いますよね。
また、変わったところでは、英語ではギリシャ神話の「ヘラクレス」を使って Herculean effort 「努力がすさまじい」という言い方もあります。
彼のこの八面六臂の大活躍の根源は何か?ということです。
実は、最初に述べた国民の上方歌舞伎に関する認識を高める、そして自分たちが演じている歌舞伎に誇りを持てるようにするというのが目標のようです。
本当に上方歌舞伎の伝統継承という大きな責務を背負って生きてらっしゃるようです。
彼の夢は、大阪にも東京の歌舞伎座のように上方歌舞伎座を一年中公演する劇場を作るのが夢であり目標であるようです。
時代の変化に寄り添いながら伝統継承のために一生懸命働く愛之助さん。
良い伴侶を得たことで更にパワーアップして愛之助流リーダーシップを発揮して歌舞伎界を盛り上げていただければと思います。
では、また
こうちょ