アントニオ猪木氏訪朝の大義名分
菅官房長官は今週頭、アントニオ猪木議員の訪朝について「我が国は、対北朝鮮措置として、全ての国民の渡航自粛を要請しており、猪木氏にも従前から伝えている。極めて不適切だ。」と批判しました。
また、自民党の古谷選挙対策委員長は、「北朝鮮の建国記念日に訪朝するということはすべきではない。それが出来てしまうこと自体がおかしい。」と批判。
彼は、「自民党の制裁案を全て課せば、相当厳しく姿勢を示すことが出来る。」と、北朝鮮に対する制裁強化を訴えています。
北朝鮮は、「更なる核実験を行う準備が出来ている」と報道されていますし、日本政府としても、これ以上看過することは出来ないでしょう。
さて、猪木氏はどんな考えがあって幾度となく訪朝を行ってきたのでしょう。
大義名分はあるのでしょうか?猪木氏は、故力道山の弟子です。
彼が、ブラジルに共興で訪れた際、猪木氏をスカウトした経緯があります。
ご存知のように力道山は、日韓併合時代、今の北朝鮮の地域で生まれた方です。
そのため、戦後、韓国政府に招待されたりして幾度となく朝鮮半島に渡り日韓関係改善に尽力されていた姿を見ていたようです。そして猪木氏は、日朝関係改善の原点をそこに見出したのです。
それが、彼の訪朝の大義名分だと言えます。
さて、今回の表現は、この「大義名分」です。
この言葉の意味は、「もっともな理由、他の人々が納得する理由」といったものです。
英語的にはどのような訳出がいいのでしょう?
この場合、「良い理由」、「もっともな理由」という英語で表現できると思います。
つまり、「大義名分」は a good reason と訳するのがいいでしょう。
従って、この場合、Antonio Inoki has a good reason to go to North Korea. となります。
猪木氏曰く、「ここ10年、停滞している日朝関係には、こじれた問題が多くあります。これを解決するためには歩み寄っていくほかありません。私は、その目的のためには、スポーツが重要な役割を果たすことが出来ると信じています。どちらか一方の言い分だけを言っても解決にはつながらないでしょう。勿論、金正恩のメンツを潰してもいけない。だから、私は、北朝鮮に行き、人々と話をするんです。」
There are many complex and compounded problems in the sluggish Japan-North Korea relation in the last 10 years. I think we need to make a compromise with each other. I strongly believe that sports can play a vital role for the purpose. The one-way negotiation won’t lead to the settlement. Of course, we can’t lower Kim’s honor. So I trip to North Korea and talk with the people. となります。
これが、彼の大義名分 a good reason なわけです。様々な批判があるにせよ、これだけ北朝鮮と太いパイプを持つアントニオ猪木氏。
彼の人脈を使って、この複雑な問題を解決する道を探ることも一つの知恵だと思います。
では、また
こうちょ