このノーチラス・プチコン、当初は四角い時計が好きでない私には、興味の対象から外れていた時計でした。ただランゲやオーデマ・ピゲ、バセロンと購入が続くと、どうしても次に気になるブランドがパテック・フィリップになってしまいます。ある意味、時計ヲタには避けては通れないブランドでしょう。
パテックにも色々な時計がありますが、普段使いがしにくいレザーベルトのモデルはランゲだけで十分と感じているので、ロイヤルオークやオーバーシーズのようにSSブレスの時計がいいなと思っていました。でもそうなるとパテックの購入候補としてはノーチラスとかアクアノートしかなくなってくるワケです。
さらに言えば、裏から見えるムーブの半分がローターで見えないセンターローターの自動巻きムーブよりもマイクロローターを使った自動巻きムーブの方がムーブメントを拝むにはいいなと思っていたことから、プチコンが購入候補に浮上してきました。
しかしパテックのスポーツモデルは、どれもまず正規店に置いてありません。予約すら受け付けてくれない店もあり、じゃあ並行店でとなるのですけど、価格がほとんど正規品と変わらないんですね・・・
そんなパテックのノーチラス・プチコンでしたが、欲しいなと思い始めてすぐのある日、それまでパネライやブライトリングなどを買ったことのある百貨店で、ホント何気なしに「プチコン、ありませんよねぇ・・・」と聞いたら、一呼吸置いて「少々お待ち下さい」と・・・
「へ? ま、まさか!?」と思いながら待つこと数分、トレーの上にクロスが掛けられてやってきました、5712/1A。
こんな奇跡があるのか?と思いましたが、予約を受け付けていないので、入荷した時点で最初に見つけた人勝ち状態だったみたいなんですね。さすがに300万以上する時計を「じゃ、これ包んでくださいな」とは簡単に言えず(そもそもそんな簡単に見つかるなんて思ってもいなかった)、1週間取り置いてもらって金策を考え、確かGVとかロレジとか4本の時計を売って軍資金があったタイミングだったので、「これは何かの縁だろう」と購入に踏み切りました。
しかしブレスの造り込みや仕上げを見ると、どう見てもロイヤルオーク3針SSブレスより良いとは思えませんでした。それでいて価格はパテックの方が断然高いです。
ある意味ではブランド戦略がうまくいっているとも言えますが、ノーチラスを買う人の一部には「世界最高峰の機械式腕時計ブランドのパテック・フィリップ」というだけで買っている人も多いんじゃないでしょうか・・・
またパワリザ表示は好きなのですが、スモセコは好きではないし、しかもハックすら付いていないし、「所有する時計本数を絞り込む」という流れの中では、どう考えても購入価格に見合う価値感を感じない時計でした・・・
というワケで約2年所有しのち、メーカーの保証が切れる寸前に手放した記憶があります。
なんとなく私はその時計を売るか・残すかを決める基準は、「その時計を手放した後に、もう一度同額を出してまで買いたいと思うかどうか」で決めています。また買いたいと思うなら残し、そう思わないなら売ると言うことです。
その観点で言えば、プチコンはその当時は「買いたいとは思わない」時計だったのでしょうね。
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