林先生の読書の薦め
ツイッターで紹介されてました
昨日の記事で、石巻市役所の避難所について少し書きました。
果たしてどういう事なのか、今回詳しく書きたいと思います。
(誇張表現は一切無しです。これが、現実です。)
まず、この避難所の一番の問題点。
それは「市役所の職員が、避難住民に無関心」という事です。
今石巻市役所には、大体200人の被災者が避難しています。
彼らには、たった4つの部屋しか与えられず、廊下に寝ている避難住民も多くいます。
体調を崩している方も沢山いるのですが、市役所の職員は、なんと一回も見回りに来ないのです。
私は一泊しかしていませんが、倒れてしまった人が三人、寝ながら吐いてしまい、窒息してしまっていた人が二人、いきなり失明してしまった人が一人…
全て私が発見して、応急措置をして…
私は今回、六つの避難所を回りましたが、どの避難所も必ず職員・教員が常駐していました。
トイレなどにいく時も、他の職員と交替して、目を離さないようにしていました。
ところが、石巻市役所は違います。
いないどころか、見回りにも来ないのです。
また、昨日も少し書きましたが、末期がんの患者も同じ部屋に押し込められ、痛み止めを飲むと動けなくなるからと言って、泣きながら痛みに耐えている…
他にも、信じられない話はいくつもあります。
この避難所では、思いやりのある優しい方が、お年寄りのトイレなどの手伝いをしていました。
そこに、職員が認知症の方を連れてきて、「この人もお願いします。」と…
言うまでもなく、お年寄りの世話を自分からしていた方も被災者です。
家が全て流されてしまった、避難住民です。
そして、市役所の職員を見てみると、雑魚寝をしたり談笑をしたり、決して忙しそうではありません…。
私は悲しくなりました…
何故ここまで、避難してきた住民に無関心でいられるのか…
実際に、私が気付かなかったら亡くなってしまっていた方が、最低でも二人はいるわけです。
地震・津波をなんとか逃れて助かった命。
それを避難所で亡くすなんて、とても悲しい事だと思います…
今回このように記事を書くのは、実は石巻市役所に避難している方々からお願いされたからです。
いや、お願いといっていいのかどうか…
この避難所を出る前に、最後の林相談室を開きました。
すると、あるお父さんが私のところへ…
「お兄ちゃんにお願いがあるんだ…。」
そのお願いと言うのが、「この避難所の状況を、全国へ発信してくれ。」というもの。
「このままでは、ここにいる年寄りの半分はここで死ぬ。お兄ちゃんが気付かなかったら、死んでたじいちゃんもいた。このままじゃ駄目だ。この地震を機会に、この石巻を変えないと…。」
お父さんも声が大きくなっていき、最後の方は悲痛な叫び声となってフロアに響き渡りました。
その声を聞き、お年寄りが私を囲み始めます。
「林先生、お願いします…」
「このままではここで死んでしまう…」
「もう林君に頼むしかないんだ…」
「お願いします…」
みんな泣いていました。
凄まじく、壮絶な光景でした。
私も、これには堪え切れず、涙がこぼれてしまいました…
ただ、かなり大きな騒ぎになったのにも関わらず、市役所の職員は無関心で談笑を続けていました。
様子を見に来るような事もなく…
これは何か動かなくてはと思い、今までの人脈をフルに使い、色々な方法でこの情報を発信する事にしました。
各新聞社にも連絡を入れ、明日は毎日新聞・東京新聞、明後日に読売新聞・神奈川新聞・インターネットニュースの取材を受ける事が決定しました。
私が動いても、何にもならないかもしれない。
しかし、あのようにお願いされたからには、私はできる限り彼らの力になりたいと思います。
最後に、石巻市役所に避難している避難住民の方々は、もう限界が近づいています。
ご飯が配られるのは、一日一回。
私が泊まった時の食事は、「じゃがりこ」「おにぎり」「あんぱん」一つずつでした。
お年寄りが、固い「じゃがりこ」を食べれるはずもなく…
夜も最悪です。
半分以上の方が咳に悩み、その咳の音・悲鳴のような寝言・つけっぱなしの電気で睡眠不足・ストレスが溜まりに溜まっている。
環境を改善しないと、冗談抜きで死者がでます。
このような形で情報を発信するしか、今の私にできる事はありません。
けれども、全力でできる事をやっていきたいと思います…。
それでは、また明日…。