同級生の憂い | To All The Young Dudes

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人生再建脱力ブログ。

おつかれさまです。

 

1年ほど前の事ですが

 

しばらく

疎遠であった

 

高校の同級生から

 

久しぶりに

連絡がありまして。

 

若い頃は

それこそ毎日

連んだ仲で

 

互いの結婚式にも

出席する

間柄でしたが

 

年齢を重ねるにつれ

 

生活のサイクルとか

価値観の違いとか

 

色々すれ違い

 

今はお互い

元気でやれてれば

 

細々と連絡を

取る事もない

関係性。

 

前回会ったのは

5年ほど前

 

生来

気難しい奴で

 

当時も

 

仕事の愚痴や

嫁への文句で

 

埋め尽くされており

 

正直しんどい

思いをした・・・

 

その同級生からの

不意な連絡。

 

電話を取ると

 

内容がかなり

重めでして。


彼曰く

 

肝臓癌で

すでにステージ4

 

とりあえず

俺には伝えて

おきたい・・・

 

まあまあ

ショックでしたが

 

俺たちの

年齢ともなれば

 

そう言った話は

もう珍しくもない

 

順番に

お迎えがやってくる。

 

話を聞けば

 

ここ最近は

コロナショックの

影響と

 

性格も災いし

 

半鬱状態に陥り

 

ながらく無職

 

正直

以前から


体調の異変を

感じていたものの


自分の立場上

家族には言えず

 

日々我慢を

続けたらしい。

 

病気は発覚したが

 

唯一の救いは

 

その原因が

国の給付金の

対象になるらしく

 

このまま

召されれば

 

ほぼ満額

3,000万以上

支給される。

 

昔から

肝炎を患っていると

言っていたが・・・

 

家族には

散々迷惑かけたが

 

皮肉にも

命と引き換えに

残せる物が出来た

 

 

自嘲し

 

未練と後悔


俺との過去の

思い出を語り


最後に


見舞いにはくるな

病院には行けよと

言い残し


電話は切れた。

 

それから半年で

彼は天に召され

 

しめやかに

葬式が執り行われる

 

疲れたはてた

奥方の様子から

 

苦労の後が滲む

 

早すぎる

人生であったが

 

これで奴も

楽になったろう

 

もう

悩む人生は

無いのだ

 

俺と奴との

青春にも


区切りがつく。


真顔


時は流れ

 

彼の死も

忘れかけた

つい先日

 

とある郊外の

外資系

商業施設。


そこの

駐車場にて

 

衝撃的な

出来事に遭遇


思わず腰を抜かす。


真顔

 

片田舎には

不釣り合いな

 

ド派手な

衣装に身を包み

 

大量の袋を手に

 

コンパクトな

高級外車に

乗り込む親子


デカい

サングラスが

一際目を引く。


んん?

ちょっと待て

 

あれってまさか・・・

 

死んだ同級生の

 

嫁と娘じゃねえ?!


ポーン

 

嘘やろ・・・

 

雰囲気

変わりすぎちゃう?


いやいや

 

あんなに

地味で

おとなしかった

嫁さんが

 

そんな

イケイケな

ポテンシャル

 

奥底に

秘めとったんやね

 

まあまあ

 

あの同級生の

性格では

 

生前

苦労したのは

分かるけど


にしても

没後すぐ

 

見事に

弾けられて・・・


給付金パワー

恐るべし。

 

真顔

 

おい

同級生

 

最後まで

家族の行く末を

憂いていたが

 

お前亡き今

 

家族はこんなに

力強く生きてるぞ!

 

何も心配いらんから

安らかに眠れ!

 

 

晴天の空に向かって

 

語りかけた

俺なのでした。

 

以上

同級生の憂い


ご清聴ありがとう

ございました。