地元の映画館で視聴した。当作の高評価を期待してか、いつもガラガラの館内に8割がたお客が入っていた。当館で見た「福田村事件」の時よりも観客が多かったかもしれない。
ハッピーエンドでは無いことは知っていたが、なかな強烈な作品だった。
ストーリーは、不良少女の立ち直りを描いたものだが、悲劇的なラストを迎える。これがTVドラマなら、「既視感」のある佐藤二郎演じる人情派の刑事が少女を立ち直させる安直なお話になるのだろうけど、実際はやっぱり違うのだろう。
杉咲花の「市子」も気の毒な境遇だが、彼女は人を殺してすり替わって生きている。当作の主人公の「杏」は、最後まで人を傷つけることをしていない。毒親である母親に包丁を向けるが刺すことは出来なかった。隣の住民から突然に赤ん坊の面倒を見て欲しいと押し付けられるが、一生懸命に親代わりとなり面倒をみる。
ラストを見て暗澹たる気持ちになるが、せめて「杏」は安らかに天国へ昇って欲しいと思った。
主演の河合優実は、「不適切にもほどがある」で顔だけ知っていたが、当作でも好演しており、とても良い女優さんだと思った。