東出クンの役どころはやっぱり! 田中麗奈 「福田村事件」 | 映画と音楽のある生活

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 あまり見る気は無かったが、世間の高評価を受けて映画館で視聴した。いわゆる地元のミニシアター系で、普段は私も含め10人程度の観客しか居ない劇場でチケット購入の列が出来ていた。まあ、人の事は言えないが、高齢の方が多かった様に思う。

 ストーリーは、前半「朝鮮人、部落、ハンセン病」等のいわゆる「人権教育」で習った差別がてんこ盛りで出てくる。放送禁止の差別用語も平気で使われているのは「映画は限られた視聴者」しか居ないので許されるのだろう。

 韓国から帰国した夫婦(井浦新・田中麗奈)と、讃岐から来た行商人達(永山瑛太)を並行して描きながらラストの事件へ向かう。途中の進展がポルノっぽいのは、観客へのサービスだろうか?絶対にテレビ放映は無い作品だろうから、完全に大人向きにしたのだろうか?そこで、間男を演じる東出クンの役どころに妙に納得したりする。

 ラストで行商人達が惨殺されるシーンは、やはりショキングだった。幼児や妊婦も含む無抵抗な人間を寄ってたかって竹槍でなぶり殺しするのだから暗澹たる気持ちにされられる。

 そして、興奮した群衆の前で、なんとか助けようとする一部の人やインテリ村長がいかに無力かと言うことに唖然とする。

 当作は、「現代でも同じ様なことが、行われていませんか?その時、世間に流されずに良心の言葉を上げることが出来ますか?」ということを問いかけているのだと思う。