禅的な生活? 役所広司 「PERFECT DAYS」 | 映画と音楽のある生活

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主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

 主人公「平山」(役所広司)の生活を羨ましいと思う人は多いかもしれない。私も、そうだ。トイレの清掃員を仕事として、好きな音楽を聴き、夜は文庫本を読みながら眠りにつく。そして、行きつけの飲み屋でお酒を飲む。この飲み屋も、良さそうな雰囲気のお店だ。

 スカイツリーが見えるボロアパートに住んでおり、毎日を淡々とルーティンに従って生活している。ミニマリストかと言うと、そうでも無い。カセットや文庫本等、好きなものに囲まれている。

 平山の生活を見ていて、なんとなく「禅的な生活」という言葉を連想でした。そう言えば、トイレ掃除を修行としている宗派もあったと思う。彼は、仕事であるトイレ掃除も実に丁寧にしている。いい加減にする同僚タカシ(柄本時生)とは、かなり違う。

 彼の、そんな日常は同僚のタカシや、家出して来た姪のニコ等によって乱されるが、それでも淡々と対応する。

 姪のニコを彼の妹(麻生祐未)が迎えに来る。運転手付きの車で来るのだから、実家はお金持ちなのかもしれない。

 行きつけのスナックには、訳ありのママ(石川さゆり)がいて、客のリクエストでアニマルズの「朝日のあたる家」を歌たったりする。(浅川マキの日本語版?)アイドル演歌歌手(?)だった彼女も、こんな役が似合う様になったと個人的には感慨無量だった。ラストは、ママの元夫(三浦友和)と影踏みをして打ち解けた後、平山が運転しながら笑い泣ききするアップで終わる。

 ストーリーに、大きな山は無いが、淡々と生きる主人公の生活を、懐かしい音楽と共に描いている。

 久し振りに「朝日のあたる家」を聞いたので、家に帰ってエレキで弾いてみた。コード進行もそれほど難しくなく、名曲だと思った。

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