多言語の密室会話劇 三谷幸喜 森ノ宮ピロティ 「オデッサ」 | 映画と音楽のある生活

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 三谷幸喜が3年半ぶりに書き下ろした舞台劇。宣伝文句は、「3人の男女が英語と日本語で密室の中で行う会話バトル!」とのこと。

 舞台はテキサス州の「オデッサ」。普通、今ではウクライナのオデッサを連想するが、当作のストーリーにタイトルは、ほとんど関係が無い。ただ、作中にも説明されるが、ウクライナ人の移民が景色が似ていると、この地を「オデッサ」と名付けたそうだ。

 セットは、とあるダイニングカフェの店内という設定。登場人物は、老人殺しの容疑を掛けられた英語の話せない日本人旅行者。日系人だが日本語が話せない女性警部。そして急遽、通訳として協力されされることになった現地に住む日本人青年の3人だ。

 何故、警察で取り調べないかと言うと、同地では連続殺人事件も発生しており、取調室が足りないからとのこと。取り調べをするカチンスキー警部(宮澤エマ)も普段は遺失物係という。

 宮澤エマと通訳の青年(柿澤勇人)が英語を話す際は、背景に字幕が投影される。前半は、この英語と日本語(といっても鹿児島弁だけど)の食い違いで笑わせる。

 最初の設定で、この英語の話せない日本人旅行者(迫田孝也)が殺人犯でないことと、連続殺人犯が、この3人の中に居ることは、なんとなく想像がつく。欲を言えば、オチをもう少し無理の無いようにヒネって欲しかったと思う。

 舞台変換もなく、休憩時間のない1.45分の舞台としては、これで良かったのかな?とも思つた。

 最後に苦言を言えば、森ノ宮ピロティに観劇に行くと、いつも重いくらいのパンフレットが座席に置いてある。荷物になるし、希望者だけに配布したら良いと思った。