ファンは見るかもしれないが、映画にする程でも無いと思った。「アントニオ猪木を探して」 | 映画と音楽のある生活

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 正直、私は猪木のファンで、今でもYouTubeで昭和のプロレスを見たりする。当作のサブタイトルに「新日本プロレス50周年企画」とあるが、今では新日本プロレスも一切見ないし、誰がエースなのかも知らない。

 当作は、ドキュメント映画となっている。カリスマだった猪木の事を、俳優の安田顕や講談師の神田伯山が語っている。昔は大の大人がプロレスの事を語るのは恥ずかしいことだった。でも、直木賞作家の村松友視の著作などで、当作の様な映画も制作されるようになったのだと思う。

 アントニオ猪木は、藤波辰爾ら数人のレスラーと新日本プロレスを立ち上げるが、同時期に独立したジャイアント馬場の全日本プロレスに有名な外人レスラーを独占されて興行に苦戦する。

 仕方なく、タイガー・ジェット・シン等の無名レスラーを発掘することになる。猪木の言葉を借りると「ほうきを相手にしてもプロレスが出来る。」という相手の力を引き出す能力に長けていた為、スタン・ハンセンやハルク・ホーガンの様なアメリカではブレイクしなかった選手も人気選手に育て上げた。

 ただ、その為にはスキャンダルな手段も使い、ジェット・シンに路上で夫人だった倍賞美津子と一緒に居たところを襲わせたりしている。

 アリ戦で有名になった「異種格闘技戦」も柔道のルスカ戦等一部の試合を除くと、首をかしげる事が多かった。

 当作だけど、ファンからすると挿入されている在りし日の猪木の試合動画も見慣れたモノばかりで、映画として成り立つかは疑問が残った。

 アマゾンプライムで視聴