3代目ボンド、ロジャー・ムーアの第一作目です。公開後、かなり経過してから名画座で見た。同時上映は「サンダーボール作戦」だった。
その当時は、おもしろいと思ったが、改めて視聴するとアラの目立つ作品だった。まず、悪役が凄みがなくてパッとしない。「ゴールドフィンガー」のハロルド坂田から続くモンスターボディガードも義手のチープさと相まって印象が薄い。
あれこれ、凝った殺し方をするのはお約束だけど、ボンドを喰わせようとするワニがいくらなんでも小型過ぎる。これに食べられるのは、余程の間抜けだと思う。おまけに最後は「いなばの白うさぎ」方式で、ボンドはワニの背中を渡って池から逃げてしまう。 ブゥドゥ教の生贄の儀式に見立ててボンドガールを縛るのは良いが、顔の前に差し出された毒ヘビは、全く動かず明らかにゴムのオモチャだとわかる。
呼び物のモーターボートの追っかけあいも、ゲスト出演のペッパー保安官がズッコケて見せるが、お呼びで無い様な気がする。このペッパー保安官は好評(?)だったのか、次回作の「黄金銃を持つ男」にも顔を出している。
高校の授業で習ったが、当作のタイトルは「Live and let Live」(日本語だと、持ちつ持たれつ)のパロディだ。
シリーズのレギュラーメンバーであり当作にも登場しているCIAのフェリックス・ライターは、第一作のDR.ノォーでドラゴンにカモフラージュしたタンクの火炎放射で死んでいる。
いつも、死ぬのは奴らばっかりという訳だ。
終わってみたら、ポール・マッカートニーの主題曲ばかりが耳に残った。
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