ちょっと盛り過ぎな? 吉永小百合 「いのちの停車場」 | 映画と音楽のある生活

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 吉永小百合は、昭和を代表する国民的大女優で、TVドラマにはあまり出演せず最後の映画女優とも言える。70歳を越える年齢であるにも関わらず、当作品でも若さを保っているのに、びっくりしてしまう。以前、インタビューで見たのだけど、現在でも筋トレや水泳を欠かさず体を鍛えているらしい。

当作は、内科医でもある南杏子の原作で、吉永小百合はある事件の責任を取って救急医を辞めて金沢に帰郷した主人公の女医を演じている。実家で元教師の父親の介護もしながら、車椅子の院長(西田敏行)の「まほろば診療所」で訪問診療医として働き始める。若い看護師(広瀬すず)と一緒に患者を訪問するが、それまでの大病院での医療とは違いが大きく戸惑うばかりだった。そこに彼女を追いかけて来た医師免許の浪人生(松坂桃李)も加わり現場はさらに混乱して行く。各患者と向き合いながら、一つづつ困難を乗り越えて行く主人公だったが、最後に父親の末期医療が待っていた。

 私は、根が単純だから患者さんが亡くなっていく都度、涙ぐんでしまいました。ただ、冷静に考えてみると、エリート官僚(柳葉敏郎)の末期に、松阪桃李を彼の子供と偽るのは、完全にアウトの様な気がする。

 原作も様々な医療問題を取り上げているのだけど、それを1本の映画で描くのは、ちょっと「盛り過ぎ」だと思った。

 他の評論でも取り上げていたが、娘役の吉永小百合と父親役の田中泯がおない年らしい。いかに若さを保っているとしても、ちょっと無理がある様に思う。やっぱり、今後の吉永小百合は山田洋次監督の「母もの」を見たいと思う。

   アマゾンプライムで視聴