モノクロ作品は進展が早い。アガサクリスティー「1945年版 そして誰もいなくなった」 | 映画と音楽のある生活

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 アマゾンプライムで偶然発見したので視聴した。原作は、アガサ・クリスティーの代表作の一つで、世界的なロングセラー作品だ。出版物としての発行数は、第1位の聖書に続いて、第6位らしい。

 私も、中学の時にハヤカワ文庫版を買って読んでいる。割と薄い本で1時間少々で読み終えた。というより、途中で読むのを止めることが出来ないくらい面白かった。

 島にバラバラに招待された10人の登場人物が順番に姿を見せないオーナーに殺されるというもの。クローズドサークルの代表作で、インディアンの数え歌になぞらえて殺される等の設定は、その後の様々な作品に影響を与えた。

 ネタバレしている推理小説の映画版を見るのは躊躇したが、見始めると面白くて、これも途中で止めることが出来なかった。その理由として、とにかくストーリーの進展が早く眼を離すことが出来ない!当作は96分の作品なので順番に殺される出演者には失礼だが、単純計算で10分弱で誰かが殺されることになる。(厳密に言えば、ラストの3人は同時なのだけど。)

 最近の映画は、ちょっとした作品でも2時間は超えるのが普通だから90分の作品というのは、やっぱり短く感じる。モノクロの作品のストーリー展開が目まぐるしく思うのは、初期のヒッチコックの作品も同様だった。

 この作品の一番のポイントは、ラストが原作と違うことだ。有名な小説だから、観客のほとんどが原作を読んでいると思うと、この変更はアリだと思った。まして、ハッピーエンドで終わっているので視聴後も安心だと思う。