尾張は、もうおわり? 「レジェント&バタフライ」 | 映画と音楽のある生活

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 木村拓哉と綾瀬はるかの当代きっての人気者の競演に加え、公開前から、「ぎふ信長祭り」の武者行列にキムタクと伊藤英明が特別参加する等、話題の作品がもうアマゾンプライムで無料公開とは!その早さに「やっぱり劇場で映画を見るのはやめよう。」なんて不謹慎なことを考えてしまう。

 ただ、信長と濃姫とのエピソードは、NHKの大河ドラマでも複数回取り上げられており、やり尽くされたと懸念もあった。

 主演の二人は、若手俳優としてはトップクラスであり特に綾瀬はるかは運動能力が抜群で、乗馬や殺陣もこなし、今回の「濃姫」にはピッタリだと思った。

 ストーリーは、濃姫の輿入れから桶狭間の戦いまでのエピソードは盛り上がるが、中盤から少し進展がダレてしまう。最近たいての作品の上映時間が長くなっており、当作も3時間を超えるので仕方ないのだろう。

 特に中盤以降のキムタクの信長は、ダルそうな様子で軍議を聞きながら、ふんぞり返るイメージしかない。

 設定としては、信長は恰好ばかりの気弱な若者で、実は酒もそれほど飲めず、「魔王」を演じなければならない自分とのギャップに悩んでいたこと、明智光秀の方がサイコパスで徳川家康の饗応役の際、自分を殴ることを信長に指示していたというのが、新説で面白かった。

 時代劇なのに「レジェンド&バタフライ」というカタカナのタイトルと、劇中に濃姫のお供である中谷美紀が発する「尾張は、もう終わり?(今川が攻めてくるので。)」というダジャレが現代風と言えなくも無いと思った。