原作では前作だが、映画では続編になった。「レッド・ドラゴン」 | 映画と音楽のある生活

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 「羊たちの沈黙」の大ヒットを受けて続編を期待したが

「ハンニバル」には、完全に失望してしまった。特に結末が

納得できず、その日の内に原作を読みに行った程だ。

 そもそも、この「レッド・ドラゴン」は旧作も見ていた。

もともと「刑事グラハム・凍り付いた欲望」というタイトルで

トマス・ハリスの原作を映画化していたものを、あわてて

タイトルも変更してレンタルビデオ化したものだ。

 正直「駄作」だと思った。やっぱり、同じ原作を映像化しても監督と俳優で作品の質は大きく変わるものだと思った。

 当作品には、欠かせない存在であるアンソニー・ホプキンスが

レクター博士で出演している。「羊たちの沈黙」の前日譚なので

クラリスは、当然出てこない。代わりのFBI捜査官として男性のグレアム刑事が登場する。

 冒頭、グレアム刑事がレクター博士に刺されて、瀕死の重傷を負いながらも、彼を逮捕する。一度、引退したグレアム刑事だが、再び一家を皆殺しにするシリアルキラーを捕まえる為に復帰

するが、犯人像を絞り込めない。そこで、レクター博士に

協力を求めに精神病棟を訪ねるのだが、、、。

 レクター博士という異常者犯罪の専門家(?)の助言を

受けながら事件を解決するFBI捜査官というパターンを忠実に

踏襲している為、「羊たちの沈黙」ファンも安心して見れる作品に仕上がっている。しかし、それ故に同作を越えることが出来ないのはやむを得ないことなのだろう。

 一番、喝采したのが、ラストの「若い女性のFBI捜査官が来たよ。」の問いに、レクター博士が「名前は?」と

問い返すシーンだった。ラスト=「羊たちの沈黙」の冒頭につながっている訳だ。思わずニヤリとした。

 

             アマゾンプライムで再視聴