「人は見かけが9割」という本があったが、この作品をみて改めて強く思った。
当映画の主役(?)である小川淳也氏は50歳とのことだが体型もスリムだし実年齢よりもはるかに若く見える。まだ「青年政治家」と言えなくもない。対する平井卓也氏は世襲議員で大臣経験者。恰幅も良く自信たっぷりだが、失礼だがどうしても古い政治家の代表の様に見える。
前作の「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見ていないので何とも言えないが、小川氏のドキュメント映画を作るということは対立候補の平井氏から見れば「PR映画」と言いたくなるものもっともだと思う。
前作が長い期間を掛けて作られた作品なのに対し、当作は今年行われた衆議院選挙選のみを描いている。
香川一区という四国の地方都市の選挙選だが、小川氏のやっているのは典型的な「ドブ板」である。自転車でのぼりを立てて走り、辻立ちをして聴衆と細かい対話をする。賛否両論あるだろうが奥さん娘さんも「妻です。娘です。」というタスキを掛けて応援する。この奥さん娘さんが、とても感じの良い人なので、また観客は小川氏に感情移入してしまう。
対する平井氏は、高松市長や県議などが応援する「組織的な地域密着型」の運動をするので、「草の根」対「組織」という構図となる。
結果は、小川氏が過去の雪辱を晴らし小選挙区で勝利するのだが、平井氏も比例で復活する。(過去においては
小川氏も同様だが。)
ドキュメント映画としては、香川一区の選挙戦を通して日本の選挙の問題点を浮き彫りにしていると思う。
劇中、平井氏が大島監督のインタビューに答えて「多くの人が政治に興味を持ってもらえたら、それに越したことはない。」と答えていたが、そうなればありがたいことだ。