鈴木亮平は、「変態仮面」から好きな俳優さんです。漫画が原作の被り物の作品で、吹き替えでも可能なのに肉体改造をして演じた。なかなかの個性派俳優だと思います。
現在TVの日曜劇場では、ヒューマン派の救急医師を演じていますが、この作品では真逆の残忍なヤクザとなっています。彼のヤクザ姿は園子温作品で一度見たことがありますが、今回は殺す相手の目を指でえぐるという文字通りエグイ役どころです。
続編らしく、前作では役所広司演ずるはみ出し刑事が暴力団の抗争を影で操るというストーリーで、若手の刑事である松坂桃李が途中で殺された役所広司の跡を継いで暴力団に強い影響力を持つという設定です。当作品では、抗争で逮捕されていた鈴木亮平演ずる武闘派の若手ヤクザが刑務所から出所するところから始まります。常識外れの残忍な彼は、何の関係もない刑務官の妹のピアノ教師を「お礼参り」として惨殺します。そして、松坂桃李に支配されて手打ちをした組の幹部達も次々と殺して乗っ取りを図ります。やがて二人は血みどろの対決をするのですが、、、。
鈴木亮平の殺し方が残虐過ぎて、結構な「胸糞作品」となっております。
良きバディと思われた中村梅雀との関係も一捻りしています。宮崎美子をこう使うとは意外でした。
武闘派のヤクザを描いたと言えば北野武作品を連想させますが、R15指定のこの作品がテレビ放映されることは無いと思います。
ほとんどの登場人物が死に絶えたラストで駐在として左遷された松坂桃李が「狼を見た」という少年の証言で消防団と山狩りをします。
前作の役所広司演ずる刑事の名前が「大上(オオカミ?」だったからか、最後に「孤狼」というタイトルに因んだ終わりとなっています。