東京家族「小津作品のリメイク」 | 映画と音楽のある生活

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主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

  リアルタイムでは一度も見たことが無かった「寅さん」映画を

見直して、山田洋次監督に興味が出た。NHKBSとテレビ東京で

引き続き何本か同監督の作品を見た。

 東京家族は、そんな中の一作である。1953年に公開された

小津安二郎監督の「東京物語」のオマージュとされているが、

ほぼストーリーは、同作品の主要な部分を踏襲しており、リメイクと

言ってもいいかもしれない。

 あらすじは、広島の離島から子供達に会いに東京に出て来た

老夫婦だが、成功した長男(医者)や長女(美容院経営)からは

表面上は歓迎されるが、仕事が忙しかったり、配偶者に気兼ねしたり

で疎まれてしまう。結局、一番歓迎されたのは、フリーター風の次男

(舞台装置の裏方をしている)と、その許嫁だった。

 その東京での滞在中に妻が倒れ危篤状態になってしまう、、、。

というものです。

 びっくりするのは、1953年の小津作品の頃から、「核家族化」

「老後の心配」「親子関係」等の日本の家族の問題が変わっていない

ことだ。高度成長時代、若者は地方から上京して仕事や子育てに

懸命だが、田舎に残された年老いた親たちは取り残された疎外感を

感じてしまう。

 最後に、残された父親は、離島の地域の人間に支えられ暮らして

行くというのが救いとなる。

 この配役、そのまんまの役柄で「家族はつらいよ」に引き継がれて

おり、そのコメントは、また後日書くかもしれません。