歌舞伎 風の谷のナウシカ 「伝統芸能の可能性」 | 映画と音楽のある生活

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 コロナで出かけることの出来なかった今年の正月。BSで前編と後編で6時間かけて新作歌舞伎の「風の谷のナウシカ」を見た。

 公開当時は、大変な人気でチケットが取れなかったそうですが録画映像を映画館で放映したり、今回はBSで全編が無料で見れるのだから、無理に劇場で見る必要はないのかもしれない。

 感想としては、大掛かりなセットや工夫を凝らした演出等見どころは沢山あったが「痛い」部分も多かった。

 何よりも主役のナウシカの尾上菊之助だが、女形なのはともかく年齢的にも外見もナウシカに見えない。

 ユパの尾上松也やクシャナの中村七之助はそれなりだが、主役がどうしてナウシカのイメージに合わないのは、最後まで違和感があった。

 歌舞伎も落語と一緒で、古典もあるが新作もあるのは、良いことだと思う。

 銀座の歌舞伎座が現在の複合ビルに改装された際、若手の役者がインタビューに答えて「歌舞伎はお客様の木戸銭だけで成り立っており、国からの補助金などは貰っていない。外国のオペラ等とは、そこが違うところです。」と誇らしげに話していた。

 様々な作品を歌舞伎にアレンジして上演するのは、よい挑戦だと思う。そのうちに「歌舞伎版 半沢直樹」もあるかもしれない。