父親はアクション映画が好きで、当時小学生の私に今から考えれば不適切な映画を沢山見に連れてってくれた。マカロニ・ウエスタンを随分見せられたが、今となっては、はっきり覚えている作品がない。 その中で印象に残っているのが、この「ダーティ・ハリー」だ。子供心ながら44マグナムという世界最大の拳銃に憧れた。
なかでも恰好いいのが、冒頭のサンドイッチスタンドの向いで
起こる銀行強盗を制圧するところである。いち早く銀行強盗を
察知して店主に通報するようにアドバイスするが、その直後に
銃声が響き強盗が発生してしまう。「仕方ないなぁ。」という
佇まいで無造作に44マグナムを抜き、強盗に向き合う。口にはさっきまで食べていたサンドイッチをもぐもぐしながらである。
抵抗しようとする強盗の一人に、「これはマグナム44といって世界最大のガンだ、こいつをぶっ放すとお前の頭から脳みそをきれいに掃除してくれる。運を試してみるか?」
降参した強盗に、実は弾はもうなかったと引き金を引いてみせるというオチだ。
ストーリーは、ベトナム還りの凶悪犯スコルピオとの戦いだが、人権重視の世の中で、ハリーの強引な捜査は非難され、捜査から外されてしまう。
ラストでスコルピオとの対決を終えたハリーが警官バッチを
湖に投げ捨てるシーンがある。単発のドラマのつもりが複数の
続編ができるキャラクターになった。
表題は、小学生の私がこの映画で見て覚えた英単語である。
父親からは、自分にどんな形容詞をつけられてもいいが「ダーティ」だけはダメだと教えられた。その当時はニュアンスが分からなかった。