男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 「熊が着ぐるみでも気にしない」 | 映画と音楽のある生活

映画と音楽のある生活

主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

 

 33作目。84年公開である。マドンナは中原理恵。

失礼だが中原理恵が歌手としても女優としてもインパクトが今一歩なのか、寅次郎の舎弟の秋野大作や妻に逃げられたサラリーマンの

佐藤B作が出てくるが本筋とは関係のなりエピソードで終わっている。

タコ社長の娘役で美保純も出てくるが、ここら当たりは新しい

レギュラーメンバーに加入というところだろうか。

 ストーリーは、ヤクザ者の渡瀬恒彦に惚れてしまう中原理恵を世話を焼く「とらや」のメンバーを中心に進んでいく。

 寅さんは、フーテンつながりで中原理恵演じる「風子」と親しくなるが、世話を焼いた上、トニーを諦める様に説教したら嫌われてしまう損な役回りだ。年の差もあるのだろうけど、ほとんど恋愛感情はなさそうである。

 最後、普通の真面目な青年と故郷の北海道で結婚式を挙げる「風子」のお祝いに行く寅次郎だが、道に迷った上に熊に襲われてしまう。

このシーンの熊が明らかに着ぐるみなのだが、寅さんファンは気にもしないのだろう。ドタバタシーンでエンドロールを迎えるが相変わらずの「めでたし、めでたし」である。

 個人的には北海道に行く「さくら一家」が乗る飛行機が「東亜国内航空」なのが昭和の人間の私には泣かせるところだ。

 このシリーズは、実際よりも少し古い感じの日本の原風景を描いており、その点もファンの心をつかんでいる。

                              BSテレビ東京で視聴