007ワールド イズ ノット イナフ「複雑化するストーリー」 | 映画と音楽のある生活

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 この頃は、イアン・フレミング原作からストーリーは全く関係なくなっているようだ。短編集の「読後焼却すべし」(ユア・アイズ・オンリー)「ベルリン脱出」(リビング・デイ・ライツ)等、タイトルは取ったけど、中身は全然違う作品が続いたが、ブロスナン・ボンドでは、タイトルすら関係なくなっている。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」とはボンド家の家訓らしい。苦心のタイトルというべきだろう。

 この作品で特徴的なのは、ソフィー・マルソーという日本でも人気のある女優さんをボンドガールに起用してしかも悪役を演じさせたことだ。

 Mが復讐の為に誘拐されて狙われるという展開は、「スカイ・フォール」にもつながる様なストーリーである。

 私も、ジェームズ・ボンドはショーン・コネリーのイメージが強い方だが、ブロスナンは、スタイリッシュなスパイという役どころには一番ハマっている様に思える。結局、共同原作者との揉め事でシリーズの制作が長期に中断してしまい4作で終わってしまったのは残念だ。

 作品とは全く関係ないが、当時映画の試写会でやたら登場していた叶姉妹が、劇中のソフィー・マルソーが着ていた黒レースのドレスをまとい「お姉さま!胸がきつくて、ウエストがゆるいですわ。」と言っていたのを思い出した。

             BSにて視聴