(柳井寛/嵩の伯父/竹野内豊)
何のために生まれて
何をしながら生きるがか
見つかるまで もがけ
必死で もがけ
___
(寛)
現実を受け止めて
前に 進め
絶望の隣は 希望や
_
(寛)
何のために生まれて
何のために生きるか
わしは思うがよ
それは 人を喜ばせることや
おまんのあんな嬉しそうな
顔見てこじゃんと嬉しかった
人生は喜ばせごっこや
___
(柳井嵩/北村匠海)
死んでいい命なんて 一つもない
_
(嵩)
どうすればよかったのか
僕も そればかり考えてたけど
分からない
この先もずっと それを
自分に問いかけることしか
できないんじゃないかな
新しい世の中になっても
問い続けるしかないよ
正しい戦争なんか
あるわけがないんだ
そんなの まやかしだよ
その まやかしの正義で
敵も 味方も 仲間も大勢
死んだ ちひろも
最後にあいつが言った言葉が
ずっと 耳に残ってる
「この戦争さえなかったら
わしは 愛する人のために生きたい」
_
(嵩)
正義なんか 信じちゃいけないんだ
そんなもの 簡単にひっくり返るんだから
でも もし 逆転しない正義があるとしたら
すべての人を 喜ばせる正義
僕はそれを見つけたい
ちひろのために そうすることしか
僕にはできないと思って
何年かかっても 何十年かかっても
みんなを喜ばせたいんだ
そう思ったたら うん
生きる希望が湧いた
絶望なんてしてられないって
だから 生きるんだ
ちひろの分も みんなの分も
のぶちゃんも 生きてくれ
次郎さんの分も
のぶちゃんが大好きな
子供たちのためにも
_
(のぶ/今田美桜)
私が信じていた正義は
間違っていました
やき
今度こそ間違えんように
周りに流されず
自分の目で見極め
自分の頭で考え
ひっくり返らん 確かなものを
掴みたいがです
___
(面接官)
では 戦争を通して
思うたことを話してください
(嵩)
自分が正しいと信じていたことが
実は そうでなかったというか
例えば
自分は正義だと思っていても
相手の立場からすると
自分は 悪になってしまうんだと
思い知らされました
(面接官)
それを踏まえて
これから どう生きていきたいですか?
(嵩)
何が 正しいのか
逆転しない正義とは なんなのか
そもそも 逆転しない正義って・・・
あるんでしょうか?
_
(のぶ)
たっすいがは いかん!
_
(窯じい/のぶの祖父/吉田鋼太郎)
なりふり構わず 走れ
間違うても 転んでもえい
それも全部 面白がって生きえ
___
(編集長)
お前は いつも一生懸命や
けんど 一生懸命になればなるばあ
お前の記事は 客観性を失う
記者として それは致命的や
_
[次郎の速記]
“のぶへ
自分の目で見極め
自分の足で立ち
全力で走れ 絶望に
追ひつかれない 速さで
それが僕の最後の夢や”
___
(編集長)
これが世間や
世間は怖いぞ
妬んだり 僻んだりして
色んなこと言われる
お前の志を
へし折ろうとする奴もいる
そんな奴に 絶対 負けるな
負けるなよ
___
(八木信之介/妻夫木聡)
覚えておけ
きれいごとだけでは
何も解決しない
___
(八木)
失いそうになって
初めて 気づくこともある
その大切さに
___
(薪鉄子/代議士/戸田恵子)
ピンチの隣には
チャンスが 転がっちゅうねえ
___
(たくちゃん/いせたくや/大森元貴)
嫉妬したって言えるなんて
あなたは強い人です
本当に強くなきゃ
そんな風に自分の弱さを
認められません
___
(八木)
大衆なんかに媚びず
お前らしいものを 描けばいいんだよ
___
(八木)
天才は スランプも波も
大きいからな
_
(八木)
天才に化けるか
凡人で終わるかは
苦しくても
続ける努力ができるかどうかだ
___
(のぶ)
うちは 何者にもなれんかった
教師も 代議士の秘書も
会社勤めも 何一つ
やり遂げれんかった
嵩さんの 赤ちゃんを
産むこともできんかった
嵩さんは 子供が欲しかったやろうに
うちは・・・
(嵩)
そんなこと 誰のせいでもないよ
僕たち夫婦は これでいいんだよ
(のぶ)
けんど けんど 時々思うがよ
うちは 何のために生まれてきたがやろうて
精一杯 頑張ったつもりやったけど
何者にもなれんかった
そんな自分が情けなくて
世の中に忘れられたような
置き去りにされたような気持ちになるがよ
(嵩)
のぶちゃんは ずっと
誰かのために走ってた
いつも いつも 全速力で
のぶちゃんがいなかったら
今の僕は いないよ
のぶちゃんは
そのままで 最高だよ
___
(八木)
この世の中で
子供たちが生きていくのに
必要なのは
先ずは 栄養のある食べ物 住まい
そして 音楽に物語に 詩
(蘭子/のぶの妹/河合優実)
精神の栄養ですね
辛いことがあっても
それがあれば
乗り越えられます
(八木)
もう一つ必要なのは
人の体温だ
あの子たちは 親から無条件に
与えられる 温もりを知らない
___
(佳保ちゃんの祖父)
あなたの書く詩には
喜びの裏に
どうしようもない悲しみが
滲んでる
きっと 大変なご経験を
されたんでしょう
(嵩)
忘れることは
ないと思います
___
(登美子/嵩の母/松嶋菜々子)
のぶさん
勘違いしないで
優しすぎる というのは
甘すぎる という意味よ
___
(嵩)
僕は みんなから
軽く見られてるんだよ
_
(のぶ)
昔 お父ちゃんに言われたがよ
夢が見つかったら
思いっきり 走ったらえい
のぶは足が速いき
いつでも間に合うって
嵩は 足が遅いき
いごっそうになれ
知らんがかえ?
いごっそうは 頑固で大胆不敵に
己を貫くって意味や
(嵩)
知ってるよ
昔 伯父さんに言われたことある
___
(嵩)
こんな僕にでも
一応 プライドはあるんだ
_
(羽多子/のぶたちの母/江口のりこ)
自分の気持ちに
正直に生きなさい
_
(のぶ)
大丈夫
うちは 嵩さんの才能を
信じちゅうき
___
(嵩の父/二宮和也/回想)
こんな惨めで
くだらない戦争を起こしたのも
人間だ
でも人間は 美しいものも
作ることができる
人は人を助け
喜ばせることもできる
___
(羽多子)
のぶは あのおんちゃんの
どこがそんなに気に入っちゅうがで?
(のぶ)
ぜんぶ好き
でも 一番好きながは
カッコよくないとこ
うちは 子供の頃から
悪い奴は懲らしめないかんて
そう思うちょった
それが正しいことで
正しいことをするのが
カッコいいと思うちょった
けど あのおんちゃん見たら
そうやないがやって
ハッとする
お母ちゃんが昔
うちに言うてくれた言葉
思い出すがよ
痛めつけた相手に
恨みが残るだけ
恨みは恨みしか生まんて
(羽多子)
けんど 近所の子供やのうて
世の中の害になるような悪もんは?
(のぶ)
向こうから見たら
こっちが悪もんかもしれんやろう?
(羽多子)
それもそうやね
(のぶ)
こじゃんと大事なことで
正しいとか 正しくないとかではなく
自分は撃たれても
お腹を空かせた子供たちのために
飛び続ける
嵩さんの描いた あんぱんまんて
キャラクターが世の中に伝わって欲しい
___
(嵩)
カッコよくなっても
強くなっても いけないんです
あんぱんまんは
(八木)
カッコいい正義の味方は
一番 信用できないか
_
(のぶ)
いつか うちの人が言いよりました
正義を行うなら 自分も
傷つくことを覚悟しなければいけないと
_
(のぶ)
カッコよう 銃を撃ったりして
敵と戦うがは 真のヒーローではないと
敵を倒して そのままカッコよう飛び立ったら
めちゃくちゃに壊された街や
そこに住む人らは どうなるがですろ
強さを見せつけて 敵を倒すがではなく
自分を顧みず 弱い人や
困っちゅう人を救うがが
真のヒーローではないかなと思うがです
やき あんぱんまんは カッコ悪くてえい
弱くてえい マントもボロボロでえい
あんぱんまんは 嵩さんにとって
唯一 信じられる正義の味方ながです
___
(嵩)
お腹を空かせた人に
あんぱんを届ける
敵も味方も関係ない
どっちが正義かも
どっちが悪かも関係なく
ただ パンを届ける
これが僕の思う
ヒーローなんです
___
(嵩)
僕はそれが
健康な社会だと思うから
人間の体にも
良い菌とばい菌があって
バランスが取れてる
ばい菌が絶滅すると
人間も絶滅してしまう
絶えず拮抗して戦っているのが
健康な世の中だと 思うんだ
_
(のぶ)
みんなが 同じものを見て
同じような発想する世の中は
危険や
___
(のぶ)
嵩さんは いつも
うちの心を明るく照らしてくれた
おとうちゃんが のうなった時も
自分が生きちょってえいがか
分からんなった時も
どんな時も カッコつけんと
弱い自分を見せてくれた
やき うちは救われたがよ
そういう たっすいがの嵩が
大好き
_
(歌う嵩)
♪そうだ うれしいんだ
生きるよろこび
たとえ 命が終わるとしても
_
-先生はどんな方ですか?
(のぶ)
根っから 優しい人なんです
草花にも 生きものにも 人にも
こう なんて言うんでしょう
ただ優しいとかの程度やないがです
ちょっと 標準を外れるくらい
虫も殺せんところがあります
(連続テレビ小説『あんぱん』2025年度)