(安吾/志尊淳)
家族っていうのわね
時には呪いになるんだ

 

(貴瑚/杉咲花)
呪い?

(安吾)
呪いになってしまったら
抜け出していいんだよ

離れていいんだよ

三島さんは 今日
一度死んだ

だよね?

だったら人生を変えてみない?

自分で望めば
呪いからは抜け出せるんだよ

僕に時間をもらえないかな?

もう一度
生き直すための時間

自分ですべてを背負わなくても
なんとかできる方法は必ずあるから
それを探そう


そして まず家を出よう

___

(安吾)
第二の人生では
キナコは“魂の番”と出会うよ

(貴瑚)
“魂の番”?

(安吾)
うん
愛を注ぎ 注がれるような
そんな人と きっと出会える

(貴瑚)
私でも 愛される?

(安吾)
うん 愛される
キナコは幸せになれる


___

[流れるクジラの声]

(安吾)
52ヘルツのクジラ

(貴瑚)
クジラの声?

(安吾)
うん

でも この52ヘルツの
クジラの鳴き声は
あまりに高音で
他のクジラたちには聴こえない

一生懸命 歌っても
誰も聴いてくれない
だから“世界で一番 孤独なクジラ”
って言われてるんだ


広い海でたった一人
誰にも届かない歌を歌ってるのは
一体 どんな気持ちなんだろうね


僕は 寂しくて 悲しくて
死にそうな時に これを聴くんだ
これを聴くとね 眠れるんだよ

___

(安吾の声)
僕にも幸せはありました
誰も好きにならないと決めていた
僕の心が
キナコにはどうしようもなく
動いてしまったこと
その感情は 僕の人生を
少し豊かにしてくれました

どうか 彼女を幸せにしてください

僕の魂は 永遠に
彼女の幸せを祈り続けます

___

(貴瑚)
ダメ! 死なないで!
私と一緒に生きていこう
私にとって
あんたが必要なんだよ

あんたはムシなんかじゃない
52っていう数字でもない
私にとって大切な人間なんだよ

あんたにとっても
私を必要な人間にさせて

私は立派な大人じゃないけど
全然ダメダメだけど
あんたと一緒に成長していけるように
がんばるからさ

私と家族になろう
私が守るから


聴きたいんだよ
聴かせてよ
あんたの声を

 

(映画『52ヘルツのクジラたち』2024)

 

 

 

1995年。

玄武書房、辞書編集部に移動してきた

今を生きる辞書『大渡海』の制作に
一生を捧げる思いでいる馬締(まじめ)君

そんなプレッシャーの中
香具矢(かぐや)という女性に一目惚れ。
鈍感なまじめ君が恋に落ちてしまいますキョロキョロ

同僚のすすめで“恋文”を書くことに
なるのですが・・・

 

その後、12年後もなお
馬締編集長の「用例採集」は続いていました。

 

 

(松本朋佑教授/辞書監修者)
言葉は生まれ
中には死んでいくものもある
そして 生きている間に
変わっていくものもあるのです

言葉の意味を知りたいとは
誰かの考えや気持ちを
正確に知りたいということです


まぁそれは 人と繋がりたいという
願望ではないでしょうか

だから私たちは
今を生きている人たちに向けて
辞書を作らなければならない

『大渡海』は
今を生きる辞書を目指すのです

 

___


(泥酔の松本教授)
言葉の海
それは果てしなく広い
辞書とは その大海に浮かぶ
一艘の舟


人は辞書という舟で海を渡り
自分の気持ちを
的確に表す言葉を探します

それは唯一の言葉を見つける奇跡
誰かと繋がりたくて 広大な海を
渡ろうとする人たちに捧げる辞書
それが『大渡海』です

___
 

(馬締光也/松田龍平)
でも他の人は違います
僕の気持ちは伝わりませんし
僕も他の人の気持ちが
分かりません

(タケおばあさん/大家)
ええ?

他の人の気持ちが
分かんないなんて
当たり前じゃないか

分かんないから その人に
興味持つんだろ?

分かんないから

話をするんだろう?

辞書作りっていうのは
言葉を使う仕事だろう?
だったら その言葉使わなきゃ
もう頑張って喋んなきゃ!

 

___

 

(松本教授)
だが 恋する気持ちは止められない
恋か・・・
そうだ 恋の語釈は
馬締さんに書いてもらいましょう
きっと 生きた語釈ができます
うん そのためにも
その恋を ぜひ進展させましょう

 

___

 

(かぐや/宮崎あおい)
なんか 変な電話
取り次がせちゃってごめんね

 

(みっちゃん/馬締)
切るという言葉には
たくさんの使用例があります

包丁で切るのように
物質を分断する 切る

肩で風を切るのように
空気を切るような切る

1分を切るのように
時間を切る

スタートを切るは
突発的に何かを起こすという使い方

トランプを切るは
交ぜるという特殊な使用例

他にも 関係を切る・・・
電話を切・・・

(かぐや)
みっちゃんって 面白いね
もっと無口な人かと思ってた
でも ありがとう

 

___

 

(かぐや)
手紙じゃなくて
言葉で聞きたい


(みっちゃん)
え?

(かぐや)
みっちゃんの口から
聞きたい 今

(みっちゃん)
今・・・
今ですか?

(かぐや)
今は 今でしょう
辞書で調べたら?

本当に調べなくていいの!

(みっちゃん)
すいません

(かぐや)
鈍感!

___

こい【恋】
ある人を好きになってしまい、
寝ても覚めてもその人が頭から離れず、
他のことが手につかなくなり、
身悶えしたくなるような心の状態。

成就すれば、
天にものぼる気持ちになる。

 

(映画『舟を編む』2013)

(是枝先生/吉岡里帆)
本当の読解力は
その言葉の本質的な意味を
理解することでしか身につきません


_

(御上先生/松坂桃李)
パーソナル イズ ポリティカル
個人的なことは政治的なこと

(神崎)
その言葉なら知ってるよ

(御上)
ならどうして ただゴシップを垂れ流した?
そこに 想像力を使わなかった?

_

(御上)
言ったよね?
エリートは神に選ばれた人だと

なぜ選ばれるか?

それは普通の人間なら
負けてしまうような欲やエゴに
打ち勝てる人だから

自分の利益のためではなく
他者や物事のために
尽くせる人だからだ


僕はそこに付け加えたい

真のエリートが
寄り添うべき他者とは
つまり
弱者のことだ


政治家の機嫌を取る
御用記者と
不倫する教師の人生どうでもいいと
切り捨てる新聞記者

僕には何が違うのか
さっぱり分からないな

_

(御上)
何の痛みもなく
人は人を殺すことがある


___

(御上)
学校も官僚も
驚くほどの前例主義
それで成し遂げられる
教育改革はないと思います

今 教育に必要なのは
バージョンアップではなく
リビルド

既存のシステムやプロセスを
根本的に見直し
再構築することです

_

(御上)
どこで助け舟を出すか
出さないか
判断していかないと
いけないですね

_

(御上)
自分を過信しない方がいい

_

(是枝)
こんな 凄い高校で
教師してると
知らないうちに
自分は優れた教師なんだって
勘違いしてしまう

でも 私は
毒も持ってなければ
さしたる武器もない

なら 必死で
自分のこと 変えていくしかないですよね

___

(御上)
原爆を肯定する言葉が載っている

教科書がある
なぜなら それは
その国の正義だからだ

同じように 人や国の数だけ
正義があるんだ


自分の正義だけが通ると
信じていたら
誰とも 話はできないよ


___

(真山弓弦の声/手紙)
私の最初の記憶は
父に殴られている母です

いつも自分がごちゃごちゃとして
考えがまとまらなくなったのは
高校1年生の時です

“お前が嫌われるには 理由がある”

辛い言葉だった

でも もっと辛かったのは
自分が知ってたこと
どうして 自分が嫌われるのか

人と話すことが苦手で
でも プライドが高くて
自分が特別だって思わないと
保てなかったから

_

(是枝)
生徒たち いきいきとしてますね
教え方もアップデートしなきゃ

(御上)
是枝先生
もしかして 学生時代は・・・

(是枝)
ご想像通りです
単語帳と にらめっこで
一日のノルマが終わるまで
寝ません

(御上)
ド根性で?

(是枝)
はい 今思えば化石のような
例えれば カモノハシです
その心は分かりますよね?

(御上)
カモノハシは 太古の時代から
まったく姿が変わっていない
つまり 継続力のある動物です

(是枝)
融通が利かないとも言います

(御上)
自虐を入れてきますね

(是枝)
クリティカルシンキングです

批判的思考
自分をアップデートするためには
必須ですよね

_

(御上)
是枝先生
この世で一番体力のある動物
知ってますか?

(是枝)
分かりません

(御上)
驚くなかれ
人間なんです

(是枝)
え? 嘘

(御上)
42.195㎞を
人間より早く走れる動物は
この世にいません

(是枝)
活かさないとですね
体力

(御上)
こんな話もあります
昔とある動物園に 人間の檻があって
そこにはこう書かれていた

“この世の動物の中で
最強で最弱の生きもの

人間”

_

(弓弦の声/手紙)
私が その時思っていたこと
それは 父親をあんなふうに憎める
神崎君が羨ましいということでした

この世には
そんな感情すら抱きたくない
親というのが存在するのです

私は 一つの言葉に
支配されるようになりました

それは ある革命家の言葉です

“世界があなたを変えれば
あなたは世界を変えられる”

変わりたかった

私は どうしても
変わりたかった

___

(弓弦の母)
命を奪ったことの意味を
本当の意味で知って欲しい

どれほど悶え 苦しんでも
取り返しのつかないことがあるってことを

私も一緒に どこにいても

_

(是枝)
私にとっては
自分を否定し続ける
人生で一番辛い1年でした

でも 人はいくつになっても
変わることができる

そう思える1年でもありました

_

“答えの出ない質問”
[黒板に書いた文字]


(御上)
結果としての 解決は素晴らしい

でも もっと素晴らしいのは
君たちの中に今 人生かけて考えるべき
答えの出ない質問が
数え切れないほどあるということだ
その質問は 時に投げ出したくなるほど大変で
絶望することもあるだろう

でも その時に思い出してくれたら嬉しい

ここに[頭を指さす御上]
君たちの頭の中にあるということを
誰よりも楽しみにしていた人間がいる
ということを

だって 君たちの頭の中の
答えの出ない質問は 未来そのものなんだ
そして 君たちが
苦しみの中 選び取る答えは
きっと弱者に寄り添うものになる


君たちならできるよ
僕はそれを信じてる

卒業おめでとう


(ドラマ『御上先生』2025)

92歳のマダム、マドレーヌにとって
今日は特別な日。

 

タクシードライバーの

シャルルのタクシーに乗り込んだ彼女は
ふと思い出の場所に立ち寄ることにしました。

マダムは思い出話に花を咲かせます。


が、思い出したくないものもあります。

(お話は衝撃的な展開に進む!びっくり
 

現在46歳のシャルルも

山あり谷ありの人生・・・
自分と家族とを見つめ直し
現実と向き合おうと思うのでした。

2人が過ごした時間は
かけがえのない思い出に流れ星

 

 

(マドレーヌ)

父がいつも言ってた

“ひとつの怒りで ひとつ老い
ひとつの笑顔で ひとつ若返る”


分かる?
若くありたいなら
何をすべきか?

___
 

♪~

この ほろ苦い地球(ほし)で
どんな果実が実るというの?
愛は何のためにあるの?
誰も与えてくれないのに

私の一生が
地上の塵にすぎないなら
バラの輝きを曇らせるだけ
私は何のために生まれたの?
それを知るのは神様だけ


この ほろ苦い地球で
これほど冷たい世界で
今日 若かったあなたは
すぐに老いていく

 

“This Bitter Earth” - Dinah Washington)

 

___

 

(マドレーヌの声/手紙)

前略

今夜は
大切にしてきた写真を
眺めていたの
写真は思い出や
愛した人々を語ってくれる

中略

昨日 素敵な兵隊さんと
踊ったかと思えば
その翌日には
老人ホームで人生を終えていく
味気ない介護食を食べながら

すべてが一瞬だった

中略

醜いアヒルの子でいい
旅立ちなさい

カリーヌとベティと

旅に出るの どこか遠くへ
カメラを持って
思い出をたくさん作るの


後略

 

 

(映画『パリタクシー』2022)

悲しいね、自分を愛せないなんて。

人も愛せないから。


そう言えば、「愛する」って
「赦す」ことだったね。

そんなことも理解できていなかった。


許す。認める。尊重する。思いやる。

自分を、他人を。

それが愛するってこと。

 

耐えることでもある。

 

私は自分をどうしても許せなかった。
愛せなかった……

自分を傷つけてしまった。

 

でも、やっと分かったよ。

 

忖度しない。

媚びへつらうことなく
嫌われることも厭わない。

本当に思いやるとは
そういうことだ。

それが愛。

 

だから愛は厳しいと感じる。

 

私の優しさは愛じゃなくて、甘さだ。

 

自分を愛したい。

人を愛したい。

 

 

 

中学校に入学した、兄弟のような
一緒に寝泊まりするほど仲がいい
レオ♂とレミ


“つきあってるの?”


ってクラスメイトに聞かれてから
レオは自分たちを意識するようになり
レミを避けるようになっていきました。

次第に2人の距離は離れていき・・・

ある日、レミは学校を欠席します。

赤薔薇

ずっと子供のままでいられたら──
どんなに幸せだったろう。
 

 

(レオ)
想像して
お前はアヒルの赤ちゃんで
卵から出たばかり
目を開けて世界を見る
仲間は みんな黄色
お前も黄色
でも仲間より
ずっと きれいだ
お前は特別なんだ


ある日
お前は仲間から離れ
ヘビと出会う
初めて見るから
それが何か分からない
“ヘンな奴”って思う
“ヘビってヘンだ”

でも好きになる
お前と同じで特別な色だから

 

一緒に歩きだし
トランポリンを見つける
お前はトランポリンで跳び
星くらい高くジャンプする

 

___

 

-親友だけど それ以上って感じ

(レオ)
親友以上さ 兄弟に近い

-それとは違う
幼なじみだよね
認めなよ

(レオ)
この話は終わり
僕等は“カップル”じゃない

-絶対?

(レオ)
絶対に違う

___

 

(先生)
感情は本人の自由よ
いい?

言葉にするのが大事なの

 

 

(映画『CLOSE/クロース』2022)

困難と向き合っている時
川を渡ろうとする夢をよく見る。

今日の川は
増水も氾濫もなく、比較的
穏やかな普通の流れだった。

(独りでちょっと不安だったけど)
飛石になる石を見つけて、なんとか川を渡り
あとは土手を登るだけ?のところで
目が覚めた。

達成までにはもう一息?えー

でも、何より嬉しかったのが
途中「トカゲの親子」を見たことラブ
(→乗り越えていく力があること。)

その調子、がんばれ。

 

 

 

(グモルク)
ファンタジアのこと
何も知らないな?

人間の空想の世界なんだぞ

どこも
どんな生き物も
人間の夢と希望で
作られている


だから
境界線はない

(アトレーユ)
なぜファンタジアは
無くなって行くんだ?

(グモルク)
人間が希望を失い始め
夢を忘れ始めているから
だから「無」が強く
なっていく


(アトレーユ)
「無」の正体は?

(グモルク)
空虚さ

絶望が
この世界を破壊している

俺はそれを手伝ってるんだ

(アトレーユ)
どうして?

(グモルク)
希望のない人間は
操りやすいから


操っているやつには
力がある

___

(アトレーユ)
お前は何者だ?

(グモルク)
俺はしもべ
「無」が持つ力のな

俺は送り込まれた
「無」をとめられるやつを
殺すために

憂いの沼でそいつを
見失った

彼の名は
アトレーユ

___

(バスチアン)
なぜ暗いの?

(幼心の君/女王)
始まりはいつも暗いのです

(バスチアン)
それは何?

(幼心の君)
一握りの砂です
私の広大な帝国から
唯一残ったもの

(バスチアン)
ファンタジアは
消えてしまったの?

(幼心の君)
そう

(バスチアン)
全て無駄だったんだね

(幼心の君)
そんなことはありません

ファンタジアは新しく
生まれ変わる


バスチアン あなたの夢と
願いから


(映画『ネバーエンディング・ストーリー』1984)

 

流れ星
 

1つの夢と願いからまた始まる
新たな世界。

自信をなくしてしまっても大丈夫。

無駄なことなんてないよ。

信じよう、自分を。

 

流れ星

 

“始まりはいつも暗いのです”

 

そうだったね、またがんばろう。


最後まで希望を持ち続けて
生きることを教えてくれた映画でした。
ありがとう。


Lale

心の中が見えないから、信じる。

先が見えないから、信じる。

君も私も、きっと大丈夫照れ

期待しない。

しなければ、失望もしない。

 

流れのままに口笛

 

あと……

“いきいき”したいと思うのも諦めた。
“しょんぼり”するのが落ちだからね。


フラットにニヤリ


とにかく、浮き沈みはもう結構なんだ。

 

あとまあ……

好き、嫌いの感情で

いちいち揺れ動くのも。

 

くだらない。

 

そんな感情でいちいち

人を判断しているんだものプンプン

 

勝手に美化した理想像に
夢中になったり冷めたりね。

 

当然ながら感情はある。

 

けど、そういうのは放って置けばいい。

 

空想(幻想)だから。