(蘭光先生/寺脇康文)
心が震える先に
金色の道がある
その道を 歩いて行ったらえい
___
[万太郎の演説]
(万太郎/神木隆之介)
どんな 草やち
同じ草は 一つもない
一人ひとり みんな違う
生きる力を 持っちゅう
葉の形 花の色
そして どこに生きるか
天が お決めになったがか 知らんけんど
まっこぞ ようできちゅう
そして 根を張って 生きるがじゃ
根を 強う張って
どの草も 命を繋いでいく
それで 厳しい季節の間も
根っこ同士 繋がりおうて
生き延びる力を 蓄える
そう 元気いっぱい
芽吹くために!
___
[万太郎の演説]
(万太郎)
踏んずけられたら
その時こそが変化の機会
種を引っ付けて 運ばせる
踏まれたち 折れんように
丈夫な筋を 通しておく
草花らは つらい目に遭うたびに
どんどんどんどん 変化した
知恵者がじゃ
(早川逸馬/宮野真守)
わしらも そうじゃ
旧幕府から新政府
周りが変わったち 生き抜いてきた!
(万太郎)
その知恵者らは 一人として
同じものはおらん
それぞれに 強さがある
(早川)
男に女 老いも若きも
それぞれの強さがある!
(万太郎)
そう そこに意味がある
皆が違うところに
わしらも わしらなりに
懸命に生きたらえい
誰の言いなりにもならん
わしらは 自由じゃ!
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(槙野タキ/万太郎の祖母/松坂慶子)
人は すべてを持つことらできん
何かを選ぶことは 何かを捨てることじゃ
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(蘭光先生/回想)
今は こんなに穏やかじゃけんど
一度 暴れたら
土地も人も 飲み込む
自然の力は 人よりも大きい
人はそれを 封じ込むことはできん
___
(万太郎)
雑草いう 草は ないき
必ず 名がある
天から与えられ 持って生まれた
唯一無二の 名があるはずじゃ
その名をまだ 見つかってない草花なら
わしが 名付ける
草花に 値打ちがないら
人が決めつけなあ
わしは 楽しみながじゃ
わしが 出会うたもんが
何ものかを 知るがが
わしは 信じちゅうき
どの草花にも 必ず
そこで生きる理由がある
この世に咲く 意味がある
必ず
___
(藤丸さん)
教授は美しいものがお好きで
“美しいとは
完全なものだけを指す”
そうですよ
___
(田邊教授/要潤)
いい着眼だ
人間の心や体への探求
それが 西洋の芸術の根幹にあると
私は考えている
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(竹雄/万太郎の幼なじみ/志尊淳)
若が 前に進みたいがは
分かります
けんど 張りつめちょったら
速う 走ることらできません
健やかに 楽しゅう 笑いゆう方が
よっぽど速う 遠くまで行ける
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(竹雄)
若のええとこは
にこにこ しゆうとこです
若が 笑うたら
みんな笑顔になる
誰のことも幸せにできる
ほんじゃき ちゃんと寝て 食べて
ぴかぴか 笑うちょってください
それが 若の全速力ですき
___
(万太郎)
わしは 消えんと思います
彫師や刷師 かつて
腕を競うた 技を誇った方々が
その場所から散っていったとしても
それは 消えたがじゃない
新たな場所に 根付いて
そして 芽吹いていくがじゃと思います
磨き抜かれたもんは
決して のうならん
新しい場所に 会うた形で
変化し もっと強うなって
生き抜いていく
それが 生きちゅうもんらの
理(ことわり)ですき
___
(万太郎)
(植物学者と)名乗るき
わしが わしを認めたら
___
(クララ先生)
これが最後のレッスンよ
“生きなさい 愛のために”
心のままに
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(寿恵子/浜辺美波)
それでも 消えません
例え 作者が亡くなったとしても
完結した物語は 消えないんです
本を閉じても 輝いているし
心から心に 渡されていくんです
100年経っても 消えやしない
完結した物語は生き続ける
でも 完結してなきゃ
だめなんです!
___
(竹雄)
この月が沈んだら
終いじゃ
まだ 起こっちゃあせんことで
めそめそ しな
心配せんでも あなたは
泣いても悔やんでも
空が晴れたら 立ち上がるがじゃ
___
(タキ)
家 言うがは
なんじゃろのう
血筋 金 格式
何を守ってきたがじゃろ
それよりも今 ここにおる
おまんらあの幸せが
肝心ながじゃ
___
(田邊教授)
また 岩に穴を開けるのか
遠回りをするからこそ
正しいものに出会えると言うのに
君は 若いな
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(万太郎)
教授は仰られました
“核心はただ一つ”
___
(万太郎)
突き詰めたら
どんな 違いがありますろうか
出会うて ときめいて
知りたいと思う気持ちが湧いてきて
植物も人間も 与えられた場所で
懸命に生きちょります
_
(万太郎)
けんど どうしても
どうしても 心に嘘はつけんかった
(寿恵子)
知ってますよ
あなたは 我がままですから
___
(藤丸)
こんなに執念深い人たちが
世界中に ひしめいてて
運が悪かったで 済まされて
研究って それに
立ち向かうことですか?
_
(藤丸)
そこまでして
新種発表とか 名付けとか
競わなきゃ いけないんですか?
誰が発表したって
花は 花じゃないですか!
_
(徳永助教授/田中哲司)
やるんだよ それでも
ここは そういう場所だ
一人ひとりが 自分と闘う
戦場なんだ!
他人が どれだけ成果を出そうが
心を揺らさず 自分の研究を
するしかあるまい
_
(大窪/植物学教室の講師)
あいつは
精神が弱過ぎます
(波多野)
その通りです 藤丸は弱い
だから 変わらないと
中略
慣れないと
誰だって 怖いに決まってる
でも それでやめたら
かけてきた時間まで
否定することになる
だったら 競い続ける方が
ましだろう
_
(田邊教授)
得がたいと言ってるんだよ
私は お前の静けさを
愛してるんだ
___
(万太郎)
草花と同じじゃ
優しい人 楽しい人
いっぱいおる
けんど 同じ人は
一人としておらん
中でも 藤丸は
人の痛みが よう分かる
分かる過ぎる位じゃ
その分 競い合うは
性に合わん
息も吸えんようになる
それが 藤丸次郎の
特性だがじゃ
(藤丸)
特性?
(万太郎)
うん 今 知えたからには
探したらええ
この世に ただ一つの
藤丸次郎の特性に合うた
やり方を
_
(万太郎)
弱さも よう知ったら
強みになる
___
(十徳長屋の住人)
楽しむことを
もう 怖がらなくていいのよ
例え 悪いことが起こっても
その先で きっとまた
笑えるんだから
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(広瀬佑一郎/万太郎の学友)
生まれた国 人種
どこでどう生きるか
それぞれに 面白うて
優劣がない
おまん この先もずっと
変わりなよ
___
(藤丸)
“ユーシー(You see)”変わった人だったし
たぶん学内でも浮いてたんだろうけど
結局 何もかもが
政治と人間関係って
いうのがさ・・・
____
(万太郎/回想)
皆に 花を愛でる思いが
あったら
人の世に 争いは
起こらんき
___
(野宮朔太郎/画工・植物学者)
生命の神秘は
最初から ここにある
俺は ただ それを
見たってだけですよ
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(早川逸馬)
自由とは
己の利を奪い合うことじゃない
それやったら
奪われた側は 痛みを忘れんき
憎しみが憎しみを呼んで
行くつくところまで 行くしかのうなる
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(早川)
身分は 大事か?
わしは 信用したがじゃ
例え おまんが 誰じゃち
その目だけで 十分じゃったき
___
(藤丸)
がんばるよ
自分で考えて
試し続ける
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(竹雄)
峰屋の若旦那は
だめ若じゃったけんど
ほんでも いつじゃち
強さと優しさが 本気じゃった
そんな若じゃき わしは
愛したがじゃ
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(万太郎)
何があったち
必ず季節は巡る
生きて 根を張っちゅう限り
花はまた咲く
___
(寿恵子)
好きです あなたが
心から
あなたは 変わらない
出会った頃から
世の中は 皆
変わり続けてしまうけれど
うんと 酷いことも起こるけれど
あなたの心は ずっと
明るい方を 向き続けてる
そんな あなたが
涙が出るほどに愛おしいんです
___
(波多野)
傲慢だよ
槙野万太郎は
自分の意志で ここまで
来たと思ってるんでしょう?
槙野万太郎がここにいるのは
時代なのか 摂理なのか
そういうものに呼ばれて
ここにいるんだ
___
(寿恵子)
約束ね
私がいなくなったら
いなくなったら
いつまでも 泣いてちゃ
だめですからね
万太郎さんと 草花だけ
草花に また会いに行ってね
そしたら 私もそこに
いますから
草花と一緒に
私も そこで待ってますから
(万太郎)
愛しちゅう
愛しちゅう・・・
おすえちゃん
わしら ずっと一緒じゃ
(連続テレビ小説『らんまん』2023年度)