ONE PIECEに学ぶ 【10】 上から信頼され部下からも慕われる人物とは? | 心に明かりが灯る言葉たち

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「俺たちがクロコダイルを仕留めた?
 それができなくて、ウチの部下は泣いてんだぜ?

 おい・・・君・・・
 政府上層部のジジイどもに伝えてくれるかね?


 クソ食らえってな」
 
 海軍本部大佐 スモーカー



物語背景

前回の記事から続く話。 前回→ONE PIECEに学ぶ【9】選択肢をいくつもてるか  


「敵の居場所を知っていても、それを教えることしかできない
 
 砲撃時刻を知っていても、彼らを援護することしかできない
 
 私には、選べる正義がありませんでした」

そう言って悔しさを滲ませるたしぎに、スモーカーは言う。

「ついこないだまで同等だと思ってた奴らが、悪名上げてどんどん駆け上がってく

 この海じゃあ 駆け上がらなきゃ死ぬしかねぇことを 奴らは知ってるんだ」

「進むか 死ぬか
 この海に来ることを誰が決めたんだ?

「すいません 私・・・少し休んできます」

涙を流しながら船内へ歩いて行くたしぎを、スモーカーは一喝する。

「バカが・・・
 
 泣くほど悔しかったら もっと強くなってみせろ!!!!」


そこへ、海軍本部からスモーカー宛に連絡が入る。

内容は、クロダイルを討伐したスモーカーとたしぎに勲章が贈与されることになったこと。
2人とも一階級ずつ昇格が決定したこと。
そして、勲章の授与式のために本部に出向いてほしい、というものだった。

世界政府としては、クロコダイルに完全に出しぬかれていたアラバスタ崩壊の危機を、
海賊に救われたという事実を公表するわけにはいかない。
そのため、アラバスタに麦わらの一味が関わったことを完全にもみ消し、
スモーカーたちが討ち取ったという形にしたのである。

しかし、クロコダイル率いるバロックワークスと戦い続けていたのは、
海賊である麦わらの一味であり、クロコダイルを倒したのは麦わらのルフィであるということを

本部に報告していたスモーカーは、激怒する。

「俺たちがクロコダイルを仕留めた?
 それができなくて、ウチの部下は泣いてんだぜ?

 おい・・・君・・・
 政府上層部のジジイどもに伝えてくれるかね?


 クソ食らえってな」

解説

スモーカーは、政府からも認められ、海賊たちには恐れられる実力者。
口が悪く、上司の命令もろくに聞かず、厳しい人物だが、子供には優しく、
ユーモアもあり、部下思いでもある。

自分なりの正義や考えに従って行動するという部分は、海軍大将青キジと似ているかもしれない。
同じ大将である赤犬とは、間違いなく気が合わないだろう。


現場では素早く的確な指示を出し、信頼している部下に何かを任せるときは、
その行動の責任は俺がとるから自由にやってみろという姿勢。

その言葉どおり、結果がどうあれ、その部下が自分の考えで選択し、
決断したことを否定せずに受け入れて、責任は自分がとる。

そして、部下の思いもしっかりと汲みとる。

上層部からすれば扱いづらい存在だが、実力があり結果も出すから、
海兵として残ってほしい人財でもあるし、部下からの信頼も厚い。
もしリストラがあっても、こういう人間はリストラの対象にはならない。

上から言われたことに盲目的に従い、自分の意見を持たず、いざというとき責任をとらず、
部下に押しつけるような人間は、結果的に上からも下からも信頼されない。
そういう人間は実力もないから、まっさきにリストラの対象になる。


口の悪さや自分勝手さはほどほどでいいと思うが、
自分の信念や意見をもつことと、責任をもついう部分ついては、
スモーカーから学べることは多い。

信頼され、慕われる人間とは、どんな人物か。
その答えの一つが、スモーカーという人物のスタイルなのである。



余談だが・・・

自分の正義に従って行動し、実力があり、未来の海賊王、ルフィを何度も追いつめているスモーカー。

自分の正義に従って行動し、実力があり、部下からの慕われていて、海賊王ロジャーを何度も追いつめた伝説の海兵、
海軍本部中将ガープ。


この2人、作中ではほとんど接点はないが、どこか似ている。