空手少年K 北タイを行く③ 新しいミッション。 | lai-thaiboxingのブログ

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タイチェンマイにて意拳、ムエタイ、瞑想の研究。山岳小数民族との交流や日々気づいた事を書いて行きます。
タイ国ムエタイ協会認定トレーナー。寺田式インパルス療法士。椅子軸法認定インストラクター。

数年前に母校である大阪教育大学空手道部の総監督が、部員が減って、部の存続の危機が来ている、と言う事を言われた。


自分は、それを多様化する学生の価値観や趣味嗜好の中で、大学の空手が魅力のないものになっているのではないか、と考えた。


魅力がないのだったら魅力のあるようにすれば良い。


大学空手道部の有名大学が発信している空手道部の紹介動画をいくつか観た。


SNSの時代、大学の空手道部に関心がある学生なら、おそらく、動画を観ると考えた。


どれも良く出来ている。けど、どれも同じような動画に見えた。


う〜ん。


競技での成績優秀な大学の動画を真似て、部員が少ない大学が、同じような紹介動画を作ったとしても、魅力を感じるものになるかどうか。


けれど、だからと言って、お楽しみサークルのようなチャラけた動画を作ったなら、それは体育会の空手道部と言うより、趣味の空手サークルだろう。


又、そこまで質を落として、学生を勧誘しないといけないのなら、自分は、そんな体育会の空手道部は潰れてしまっても良いぐらいに思った。


自分達が学生だった頃のように、世界チャンピオンやナショナルチーム、国体代表の選手が出てくるような部になって欲しいのは山々である。


が、


今は、中体連の大会で優秀な選手が高体連の優秀な高校に行き、高体連の大会で優秀な選手が有名強豪大学にスポーツ推薦で行く、と言うような競技としての空手のエリート化が進んでいる。


だから、大学から空手道を始めた選手が、そう言うスポーツ空手のエリートをやっつけるジャイアントキリングが起こり難い状況にあり、学生自体も、そう言う競技エリートを食ってやろうと言う、野武士のようなメンタリティーの学生が減ったようにも感じた。


どうせ、高校までに全国レベルの選手で無かったり、空手を全くした事がなくて、大学生になった今から頑張っても、チャンピオンには到底なれない。


それなら、大学生活の思い出作りとして、趣味の延長として、ちょっと空手でもやっとこかな、となりはしないだろうか。


もし、そうならそれで、徹底的に空手を通じた思い出作りに力を注いだなら、それはそれで魅力のある部になるのかも知れないけれど。


これも中途半端、それも中途半端なら、そこに魅力はあるのだろうか?


そして、考えた。


大阪教育大学で空手道をやる事自体に意味を持たせる事が出来るのではないかと。


誰もが競技スポーツ空手のチャンピオンになれるわけではない。


でも、空手道を本来の武道として、修行する事は、運動神経の有無、体力、経験のスポーツ競技に勝つ為に、他より抜きん出ないといけない能力が無くても出来る。


武を通じて道に至る。


これは自分の立場。


この場合の『道』とは真理を指す。


武道と言う場合、色んな捉え方があるだろう。


が、色んな捉え方があっても、そこに共通する点は精神的なものではないだろうか?


空手道の教育的意義


そう言う観点から、教育大で空手を学ぶ事は、単に競技スポーツとして上位の成績を目指すだけでなく、やり方次第では、将来、教育現場で役立つようにもっていけるのではないだろうか。




で、考えたのが、大阪教育大の空手道部の海外特別コーチを拝命している自分を利用してもらう事だった。


タイ🇹🇭北部チェンマイにいる自分を利用して、空手を通じて、教育的成果を上げる。



テーマは、

多文化共生教育であったり、国際理解教育であったり。


その為に、


タイ北部の山岳少数民族の村に行き、空手の演武や子供達への空手指導。


山岳少数民族教育支援施設や大学でのタイ🇹🇭の大学生との空手を通じた交流。


タイ北部、国境地帯の今も昔も大国の狭間で揺れ動くメコン川周辺、ゴールデントライアングルと言われる地域の歴史を学び、その地での演武。


等々考えていた。


大阪教育大に行ったら空手を通じてそんな体験が出来る。


となれば、全国から、又、現在、同大学でクラブ活動に参加していない学生の中にも、興味を持ち、空手道部に入る学生もいるのではないか、と。


現地の人々にとっては、日本🇯🇵から来た教育大生、一人一人が日本🇯🇵の空手道の代表である。


だから、学生にとっても、日本🇯🇵の代表として恥ずかしくないように、日頃の稽古に対するモチベーションも上がるのではないか、と考えた。


が、


そんな事をしなくても部員が増えたので、この話は立ち消えになった。


この構想を、当時青森山田高校のサッカー部の監督で教頭先生もされていた現J1町田ゼルビアの黒田監督に話をしたら、


それは面白い。是非、実現して欲しい、と言われた。


空手道の教育的意義


これは、別に大学や中学、高校などの教育機関だけの事ではない。


かつて、サッカーの中体連の指導者で関西トレセンの指導をされていた方で、サッカーの指導でお世話になった方で、源甲斐先生と言う方がおられた。


源甲斐先生は、

「子供に関わる仕事は、全て教育や。」と言われていた。


サッカーの場合なら、子供にサッカーを指導するクラブチームの指導者も、子供に関わる限り教育者たるべきだと。


空手で言えば、町道場も子供に関わる限り教育の場である。


だから、町道場単位で、自分の温めていたプランが出来ても面白い。


と、言う訳で、空手少年Kの次なるミッションは、来るべき空手を通じての北タイでの研修旅行に先駆けて、空手少年K君に下見も兼ねて、実際に体験、実演してもらう事にした。


空手少年Kの新しいミッションが始まった。


タイ🇹🇭最北端の大学で最も美しいと言われているメーファールアン大学にて。


ゴールデントライアングル。タイ🇹🇭ミャンマー🇲🇲ラオス🇱🇦が見渡せる場所。