噛めば噛むほど味がする。北タイ(チェンマイ)料理ファンチャイヨーン | lai-thaiboxingのブログ

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タイチェンマイにて意拳、ムエタイ、瞑想の研究。山岳小数民族との交流や日々気づいた事を書いて行きます。
タイ国ムエタイ協会認定トレーナー。寺田式インパルス療法士。椅子軸法認定インストラクター。

チェンマイ空港から東に伸びる道をひたすら車で25分、信号の手前右手にあるのが、北タイ料理店ファンチャイヨーンである。


150年前の古民家を移築して作られたと言うこの店は、味良し、雰囲気良し、価格良して言われ、自分達のお気に入りの店である。


が、


最初に来た時は、そんな事、全然思わなかった。


建物は、日本の弥生時代かよ、と思うような掘立小屋形式。日本食と全く違う味。そして、見た事もない、これ草違うん、と言う味の野菜。


何を有り難がっているのか、どこが美味しいのか、全くわからなかった。


それが、何度か来るうちに、その美味しさ、と言うのがわかって来たから不思議である。


チェンマイ人に自分がなったのかな?


が、


建物は、田舎普請の掘立小屋と、日本の宮大工などと比較して、大した事ないな、と半ば馬鹿にしていた。







それが、サムカンペーンにあるKAMIMURA SOBAに行ってから話が変わって来た。


KAMIMURA SOBAは、建物のデザイン事務所に併設されている。


建物のデザインと言っても、現代のコンクリートを使った建築ではなく、木の建物。


その事務所に、わざわざ日本🇯🇵の大学院生が長期で学びに来ている。


何でタイ🇹🇭に?


KAMIMURA SOBAも、掘立小屋形式。



日本の神社仏閣に見られるような、精巧な組木の技法などが用いられているようには見えない。


KAMIMURA SOBAに日本人の方と行った時に、その方が、ここの掘立小屋に見える建物は、全てマイサックが使われている、と、言われた。


マイサック、つまり、チーク材である。


しかも、建物を解体した時に出た廃材である。


チーク材は、硬いのかも知れんけど、こんな使い方したら、日本🇯🇵では通じないで。地震が多い日本🇯🇵では、長さが下から上まで一定ではなく、途中、細くなった柱は、危なくて使えない、と、思った。




その時は、まだ、マイサックの価値を自分は、理解していなかった。


マイサック(チーク材)って何や?


象🐘は、かつて、切り出したチーク材を運ぶのに使われた。


ヨーロッパ人がチーク材の買い付けに来ていた。


硬くて加工しやすいチーク材は、高級建材。


タイでは、チークの森はほとんどなくなり、チーク材の中心は、ラオス🇱🇦やミャンマー🇲🇲に。


断片的な知識しかなかった。


マイサック(チーク材)について、調べてみた。


マイサック(チーク材)は、マホガニー材やウォルナット材と並ぶ世界三大名木の一つとされている。


マイサックは、東南アジア原産で、『木の宝石』とも言われる高級木材である。


その理由は、木に含まれるオイルにある。マイサックは、油分が多い為、水に強く、耐久性にすぐれ、腐りにくい。又、海水でも腐りにくく、虫にも強いマイサック(チーク材)は、船の甲板や内装材に使われて来た。


クイーン・エリザベス2などの豪華客船にもマイサック(チーク材)は使われている。


インドや東南アジアでは、宮殿や寺院を建てるのに、古くから、マイサック(チーク材)が使われて来た。


マイサック(チーク材)は、伐採したばかりのものは、水分を含んでいて、反りや割れが激しいので家具には向いていない。


けど、十分、時間をかけて乾燥させると、安定性が高まり、耐久性も高くなるマイサック(チーク材)は、古いもの程価値が上がる。


古い建造物や船などを解体した後に出るマイサック(チーク材)は、高級木材として市場に出回る。

が、最近は、それも中々手に入らなくなって来ている。

など、と、あった。


弥生時代の掘立小屋とか、田舎普請とか、馬鹿にしていた、北タイ料理店ファンチャイヨーンの、築150年の古民家を移築して来たと言われる建物が、自分の中で変わって見え出したのである。


見る人が見たら凄い価値のあるもの。


小学生の時に、モナリザを見て、なんやこんなん、全然美人やないし、綺麗でも何でもない、と思っていたのが、大人になるに連れて、見え方が変わったように。


ここの店は、スルメか?

噛めば噛むほど味がする。



そんな事を思っていたら、店員さんが、本日のお勧め料理として、ヘット トープと言う、雨季の初めにしかないキノコの料理を紹介してくれた。


このヘット トープも、噂には聞いていたけど、今年になって初めて食べた料理。



森の中の土の中にあるキノコで、天然のものしかない。


それを北タイ料理として食べる。


一口食べて、


「これ、美味い。」と、思わず、口から日本語が飛び出していた。


キノコなんだけど、食感は貝。

これまた、噛めば噛むほど味がする。


新たな価値の発見だった。






ヘット トープをどうやって採ってるかがわかります。