春節 武林 | lai-thaiboxingのブログ

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タイチェンマイにて意拳、ムエタイ、瞑想の研究。山岳小数民族との交流や日々気づいた事を書いて行きます。
タイ国ムエタイ協会認定トレーナー。寺田式インパルス療法士。椅子軸法認定インストラクター。



今日は、2024年の春節、中国正月である。


昨夜は、大晦日。


日本🇯🇵にいた時は、ほとんど意識して無かったが、タイ🇹🇭チェンマイにいると、春節に関わるものが目に入ってくる。


赤い服を着た人が増え、デパートなどの店員も服は赤。街行く人の中には、赤いチャイナドレスを着こなす女性の姿も。


東南アジアに対する中国の進出は凄い勢いで、タイの周りの国々、ラオス🇱🇦、カンボジア🇰🇭、ミャンマー🇲🇲などは、中国🇨🇳のモロ影響下にある。


タイ🇹🇭は、共産国ではない。西側自由諸国の一員だけども、常に、バランスを取りながら、つまり、中国🇨🇳とアメリカ🇺🇸の両方を見据えながら、どちらにも飲み込まれないよう、タイ🇹🇭に取って有利なポジションを保つようにしている。


チェンマイは、アメリカ🇺🇸にとっては、対中国🇨🇳の最前線にあると言え、会長の住むコンドミニアム近くに建設中のアメリカ総領事館は、高層マンションの建設よりも、遥かに時間をかけて、まるで要塞のように建設されている。


一方、我が国のチェンマイにある日本総領事館は、いくつものオフィスが入っているビルの一室。


アメリカ🇺🇸と比べて、力の入れようが全く違う。


我が家では、会長や娘は、山岳少数民族で、彼らの先祖は、元々、中国🇨🇳から移動して来た民族。


だから、彼らの正月も旧正月である。


娘には、日本語を少し教えた事があるが、彼女は、結局、日本語よりも中国語を選んで、中国文化研究を大学でする。


チェンマイの人々(タイの人々)は、日本🇯🇵が好きで、日本🇯🇵に旅行する人が増え、市内各地には、日本食屋さんや、日本の雰囲気を醸し出すカフェなども作られている。


が、


彼らは、日本のゴミの落ちてない街並みや機能的な品物や、アニメには興味はあっても、日本人や日本の歴史・文化には、一部の人を除いては、それ程興味はない。


ここ数年の急激な円安は、日本からの旅行者や長期滞在者を減らした。又、工場なども、タイより物価の安いベトナム🇻🇳に移っている。


つまり、タイ🇹🇭の人々が接する日本人が減っている。


一方、中国🇨🇳は、着実にその影響をタイ🇹🇭に及ぼして来ている。


中国製EV車がやたらと増えた。

又、コロナ前のレベルにはないが、タイの観光業のメインのターゲットは、やはり中国人だろう。


娘が、中国語を勉強する直接のきっかけは、中国ドラマ。


コロナの時、学校がオンライン授業になったので、家族でジムで暮らしていた時に、暇が有れば娘は、中国ドラマを観ていた。


それは、明らかに、日本のドラマと違って、番組にお金が掛かっているのがわかる。


ドラマに登場する背景や小物の一つ一つに金がかかっているのである。


一方、日本🇯🇵の番組は、Netflixなどでも、制作費を抑えながら隙のない作品に仕上げて、ヒットさせている番組もあるけど、豪華さにはかける。


番組制作費をケチるのは、ニュース番組のコメンテーターに芸人が使われ出した頃から気になっていた。番組は、局の人間と芸人を使う事で、制作費を抑えようとしているのが、素人の自分にもわかった。


日本🇯🇵の大晦日。

大晦日と言うと、自分には格闘技であるけど、日本🇯🇵では、紅白歌合戦と言うのが、かつては定番だった。


久しぶりに、紅白歌合戦をこの前観たら、スタジオのセットで行われていて、何かスケールが小さくなったな、と感じた。


一方、中国の大晦日の番組。


これは、度肝を抜かすレベルである。

金、人をふんだんに使っている。


世界の中心を自負した大唐帝国ここにあり、と言った感じで、中国文化のスケールのデカさ、奥深さを感じずにはいられない。


自分は、CCTVと言う中国政府の管理下にある番組の春節に行われる番組の中で、中国拳法、功夫の集団演武を観て、単純に凄い、と思ってしまった。


自分が、功夫の集団演武を生で初めて見たのは、河南省鄭州市、武林風と言うキックボクシングの大会で、日本🇯🇵vs中国🇨🇳で、自分の弟子が、メインで中国のスーパーチャンプと戦った時。



そのオープニングで、少林武術学校の生徒達が披露した集団演武だった。


これ、試合に出る選手より、明らかに運動能力が高いやん、と。


河南省鄭州市の近くには、嵩山少林寺が有り、映画『少林寺』のヒット以後、武術学校が沢山作られた。


なんじゃ、こりゃ、と言うぐらい、武術の修行をしている連中がいるのである。


この、「ハァー ハッ ハッ」の修行で凹んだ石畳を見に行った。


話を戻して、春節の大晦日の番組。

歌や楽器演奏、踊りや仮面舞踏、京劇など、中国の現代、過去の芸能が披露される中、功夫の集団演武もある。


この演武、番組内で人気のあるプログラムだそうだが、これを最初に観た時に、凄いなこれは、と本当にビックリした。


別に中国政府のプロパガンダにまんまと引っかかっているのではない。


正直、凄いのである。


自分が、観たのは、映画『葉問』、イップマンに出ていたトニーイェンが、詠春拳を披露し、もう一人の誰か知らないおっちゃんと演武しているのだが、そのバックを盛り立てる拳士や、その映像、カメラワークに、空手では、こんなん無理やな、空手は、中国拳法からしたら、一分派に過ぎないな、と改めて思ってしまった。



別にこれは、空手を低く見て、卑下しているのではない。


その歴史の深さと、懐の深さが、中国拳法とは、スケールが違うな、と感じたのである。


中国には、様々な、流派の拳法が現在まで受け継がれている。その数は数えた事ないけど、沢山あるだろう。


日本の空手は、福建省の一流派が沖縄の『手』と融合して作られた。





中国側からすれば、福建の拳法の一分派である。


試合と言う形での競技化に関しては、東京オリンピックで正式種目になったり、様々な空手のルールの世界大会があって、中国拳法よりはポピュラーかもしれないが、その歴史の深みに関しては、中国を侮ってはいけない、と思う。


別に自分は、所謂、親中派ではないけれど、大唐時代の復活を目論んでいるのか、と言うくらいの勢いのある中国に、日本は負けとったらあかんやろ、と思うのである。


円安で旅行する日本人が減った。特に学生が減った。


優秀な人材は、サラリーの低い日本から実力に応じて査定される海外に流出する。


円安誘導で、インパウンドを増やして、国内市場だけで経済を回すんだ、とやっていたら、何かこれ、現代の鎖国政策みたいになってないか。


いつの間にか、日本がガラパゴス諸島になってしまわないか、と、心配しているのである。