チェンマイとは一味違ったランプーンのロイクラトン。 | lai-thaiboxingのブログ

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タイチェンマイにて意拳、ムエタイ、瞑想の研究。山岳小数民族との交流や日々気づいた事を書いて行きます。
タイ国ムエタイ協会認定トレーナー。寺田式インパルス療法士。椅子軸法認定インストラクター。




タイ🇹🇭で、4月のソンクラーン(水掛け祭)と並ぶ二大祭と言えるロイクラトンが始まった。


ロイクラトンは、雨季明けの旧暦12月の満月🌕の日に行われる事になっている。


そもそもロイクラトンは、豊かな恵みを与えてくれた水の神様に感謝を捧げる祭。


その為に、クラトンと言う飾りを川に流す。

又、コムローイと言うスカイランタンを願いを込めて空に放つ。


クラトンを川に流す姿は、日本🇯🇵の灯籠流しとよく似ている。


ただ、日本🇯🇵の灯籠流しは、お盆に家に帰って来た死者の魂をともらう為に行われるが、タイ🇹🇭のは、水の神様に感謝、となる。


日本のとは、形同実異なものなのである。


コムローイに関して、チェンマイ、メージョー地区のタマカイ派のお寺で行われるコムローイの一斉打ち上げは、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のモデルになったと言われ、幻想的な模様は、ある意味、世界に衝撃を与えた。


台湾やポーランドなど他の国々でも、同じようなイベントが行われている。


「イベント」と書いたが、コムローイの打ち上げは、本来の宗教的な意味合いから、綺麗だから、人が集まるから、と言うイベントとなっている。


原価がおそらく20btか30bt(約80円か120円)のスカイランタン2個が、バイキング形式の食事や古典舞踊鑑賞が付いて、4000bt〜8000bt(約16000円〜32000円)に変身するのである。


その利益率たるや、と、大阪人のDNAを持つ自分は、そろばんを弾くのであった。


チェンマイでは、航空機の離発着時にスカイランタンをエンジンが吸い込んで事故が起きないように、と言う事からなのだろうか、数年前から、個人でのコムローイの打ち上げは、原則禁止されているようである。


許可されたイベント会場で、許可された時間に打ち上げる。


これは、航空機事故防止の観点から必要な事である。


が、


逆に、コムローイの打ち上げの希少価値が増した。

そして、メージョー地区のタマカイ派の成功により、後発のイベント屋が続々登場した。


タマカイ派よりも安く、同じような質の物を提供すれば人は集まると。


行政の許可さえ取れれば、利益率からして、勝ちしかない商いであると。


イベントの許可は取れたけど、開催する資金がないから、投資してくれないか、と、数年前、タイ人の女(背後に日本人の男がいたと言われている)が、日本人ロングステイヤーから、総額約1億2千万円の投資詐欺を行った事件もあった。


確かに一斉打ち上げは、綺麗なんだけど、何か違う世界、一般民衆からかけ離れた世界、と、チェンマイに住んでいる自分は感じるのである。


が、


チェンマイでは、コムローイの打ち上げに制限があるが、隣の県ランプーン県ではそれがない、と情報が入った。


で、


コムローイを打ち上げた事が無い下の娘を連れてランプーンに行く事にした。


目的地は、ランプーンが、モン族の国であった時の王国の名前が付いた、ワット プラタート ハリプンチャイ。


このワット プラタート ハリプンチャイは、今年、既に2回行っている。


2回とも、昼間に行ったのであるが、経済発展著しいチェンマイと違って、そう、30年位前のチェンマイって、こんな雰囲気だったよな、と思わせてくれた所だった。


寺に来て、座って手を合わしている姿が、チェンマイの寺とは違って見えたのである。


信仰心(タイ仏教への)のかけらもない観光客が集まってくるチェンマイの寺とは違う、タイの人々の祈りの姿がそこにあった。


ワット プラタート ハリプンチャイへは、会長や娘の住むチェンマイのコンドミニアムからだと、車で約30分とナビが教えてくれる。


昼間なら2回行ったのでナビ無しで行く事が出来ると思うが、夜はナビは必需品である。


駐車場がない可能性があるので、今回はバイク🏍で行く。だから、土地勘の無い自分には尚更、ナビは必要に思えた。


ただ、このナビが曲者で、完全に信用出来ないのである。時々、ナビが道に迷う。


でも、ナビに頼らざるを得ない。だから、会長にiPhoneを持ってもらい娘も一緒に3ケツでワット プラタート ハリプンチャイに向かうのであった。


そして、予想通りナビは道に迷ってくれた。


迷ってくれたお陰で、ロイクラトンの時期のランプーンの一般の家の様子がチェンマイと違う事もわかった。


何が違うかと言うと、ランプーンの多くの家では、日本🇯🇵で言う所のお盆の時の迎え火を焚いているのである。


チェンマイでも、迎え火を焚いている家もあるのだろうが、それは稀で、ランプーンのその比率は半端でないのである。


それだけで、本来の宗教的意味のあるロイクラトンがチェンマイよりもランプーンに残っている、と感じた。


ワット プラタート ハリプンチャイの前の道は、歩行者天国になっていて、バイクは川沿いのかつての王国の跡を感じさせてくれる城壁後から先には入れない。


この城壁の辺りで、コムローイの打ち上げをしている人が多くいた。







川沿いで上がるコムローイ、お寺の屋根とのコントラスト。


これや、これ、好きやでランプーン!と思わず声が出た。


チェンマイのイベントと違ってど派手ではない。人手はあるけどしっとりとした雰囲気。


コムローイの打ち上げをした事がなくて、早くやりたい娘に、ちょっと待て、先ずは何があるか見てからにしよう、と会長。


会長は、以前、この寺に来た事があるのに、昼と夜の景色の違いに、どこに来たのか、暫くわかってないようだった。


ワット プラタート ハリプンチャイの正面まで歩いて来た時、飾られているランタンを見て会長は気がついた。



会長は、このランタンがお気に入りで、娘と一緒に写真を撮り始め、自分が本堂奥の黄金のチェディ(仏塔)が好きのを知っていて、あんた、この辺に居るから行っといで、と送り出してくれた。


ワット プラタート ハリプンチャイのチェディはいつ見ても美しい。



空に昇るコムローイが、まるで星のように見える。



チェディの前に座って祈る人々。


僧の読経の声。


ここに来させて頂いてありがとうございました、と自分は心て念じた。



ワット プラタート ハリプンチャイを出て、城壁の方へ戻る。


途中、コムローイを購入した。


4個で100bt(約400円)

このコムローイを2発上げるのに、何万円もお金を使う人もいる。


一人8000btの所なら、三人で24000bt(約96000円)である。


イベントに参加するな、と言って人の商売を邪魔するつもりはない。ただ、タイの一般の人々のコムローイを感じに、もう一泊してランプーンに来られるのも良いのでは、と思った。








コムローイの打ち上げを終え、さぁ、帰るか、とバイク🏍の場所に行ったら、規制で通行止めになっていて帰れない。


通行止めの理由は、パレードだった。





嬉しい誤算で帰れなくなった。

会長も娘も大喜び。


会長は、チェンマイよりランプーンに住みたい、と言っていた。




チェンマイへの帰り道は、線路沿いにひたすら北上した。


途中、会長が、

「凄い数のコムローイや!見てみ!」と、言った。


自分は、

「あの方向からして、あの会場のコムローイの料金は、2個で5000bt(約2万円)や。主催者は笑いが止まらんの。お金が空飛んでる。」と、言った。


自分の仏教の師匠の師匠は、訓覇信雄と言う方で、明治の親鸞と言われた清沢満之の直系の弟子である。


訓覇先生は、色紙に、


人は信念に立たなければ、金か権力に立つしかないのです、と書かれた。


今、金と権力を持っていると思っている人が、成功者と言われ威張っている。


金か権力を持つ事が成功と思っている人も多い。


でもね、訓覇先生の言葉をひっくり返せば、

信念を持つには、金も権力も関係ない、となる。


ランプーンで祈る人々を見て、訓覇先生の言葉を思い返した。


そう言えば、金も権力もあったのに、それを捨てた人がいた。


それがお釈迦さん。今の人とは逆を行った人。


ボロを着てても心の錦、どんな花より綺麗だぜ、と。



やっぱり灯籠流しは、死者をともらうものと、日本人である自分の中に染み付いてます。


ロイクラトンが、どんちゃん騒ぎよりも、しっとりとしたものであって欲しい、と思うのも、日本人として染みついた灯籠流しや迎え火のイメージからなのかな。






Instagramの曲を何にしようか、と思っていたら、海上自衛隊の歌姫の曲にした。

下の『祈り』は、東北の震災の時の歌と知っていたが、上の歌『花は咲く』もそうだったとは知らなかった。


しかも、東北でも、コムローイの打ち上げが行われている、と言う事も初めて知った。