ルヴァンとパンとぼく / 甲田幹夫 | ひびのおと

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千葉県市川市で治療院を経営しているので健康に関する内容が多いです

内容説明
パン屋を続けているのは「矛盾がないから」――今の働き方に悩む人、食を仕事にしたい人必読! 東京・富ヶ谷と長野・上田に店を構える自然酵母パンの草分け「ルヴァン」の哲学。

日本における国産小麦と自然酵母パンの草分け「ルヴァン」。オーナーの甲田幹夫さんは、パン屋を続けているのは「矛盾がないから」と言う。安全な素材を使い、日常に欠かせない「食」をつくり、人に喜んでもらえ、生計を立てる。パンづくりを通して見えてくる、食べること、働くこと、人と自然との付き合い方とは? 「好きなこと」と「働くこと」のバランスに悩む人、「食」を仕事にしたい人、そしてパンを当たり前のように食べている人に読んでもらいたい一冊。超人気餃子店「按田餃子」店主・按田優子さんとの対談付き。

【著者・甲田幹夫より】
どうして長続きしているんですか? とよく訊かれるが、本当のところは僕にもよくわからない。お客さんとスタッフに恵まれたんですよ、と答えても、それはどうしてですか? とまた訊かれてしまう。僕なりに考えてはみるのだが、大正解は見つからない。ただ、矛盾がなかったから、ということだけは言えると思うようになった。
僕は最初からパン屋を目指した職人ではない。最初に就いた職は小学校の教師だ。パンの仕事は30歳をゆうに過ぎてから、友人に誘われて軽い気持ちで関わったのが最初だった。
やり始めて、これはひょっとしたら続くかもと思った。日々ご機嫌のちがう酵母の面白さは飽きない。なにより生きるために不可欠な「食べ物」を仕事にするというのが、気に入った。
 この本では、僕と僕の店のこれまでの物語を綴ってある。パン屋のはなしと思ってもらってもいいし、僕個人の記録でもある。飽きっぽい僕が35年間パン屋を続けるなかで思ったこと、感じたことから浮かび上がるものがもしあれば、迷っている若い人の道しるべくらいにはなるだろうか。