立った時に右足と左足で、体重のかかり方は同じでしょうか?
違うことが普通ですが日常で意識することはありません。
姿勢のバランスは無意識に調整されていることが、左右の違いが意識されない理由の一つです。
そのため姿勢分析をして気がついたことを指摘しても、意味が伝わらないことが少なくありません。
例えば「左足はバランス良く体を支えていますが、右足は小指側に偏って支えていますね。」と話すと大まかに言うと3種類の反応があります。
一つ目は「そうですか・・・ (意識を足に集中しながら)ああ、右足なんかちゃんと乗ってない感じがするかも・・・」と、指摘されたことを自分なりに理解しようとするタイプ。
二つめは「えっ、そうなんですか・・・? (足元を見ながら)同じに感じるんですけど・・・」と早い動きと話し方で反応するタイプ。
三つ目は「そうですか・・・」と、特にコメントも反応もないタイプ。
一つ目のタイプは身体の状態を意識できているの、予想される姿勢と主訴の関係について話しを進めます。
二つ目のタイプは、いくつかのパターンがありますが、指摘を[ダメ出し]ととらえてしまう傾向が隠れているケースがあります。
こちらにその意図がなくても、[正しくない]というニュアンスを含む内容に反応して、「自分ではちゃんとやってるのになぁ?」という考えが頭を占め、体の感覚に集中できない状態。
そこに細かく具体的に違いを説明しても無意味なので、「微妙な違いなので感じにくいんですよ。 とりあえず、いま立っている時の足底がどんな感じかだけ覚えておいてください」といった感じで話しを進めます。
施術で姿勢や重心が改善することを体験すると、自分の体を感じるコツがわかっていただけます。
三つ目のタイプは、こちらの事前説明が不十分なことが多いです。
[姿勢の悪さ]が肩こりや腰痛の原因になりうることは、一般的な知識として定着してきましたが、左右の足にかかる体重の違いを自分の肩こりや腰痛と結びつけるには専門知識が必要。
姿勢分析をする前に私が実演したり、図を見せて説明する方法もありますが、一つ問題があります。
姿勢をみられると思うと、なるべく良い姿勢を見せたくなるもの。
事前に姿勢について説明を受けると、それを参考にして普段と異なる姿勢をとってしまうので分析の妨げになります。
このタイプでは数分ほど筋膜リリースをして姿勢を変えることで、肩や腰が変化することを実感してもらってから説明を続けます。
そうすることで、主訴以外の情報を聞くことができます。