「女は感情的」
この言葉を僕が初めて聞いたのは、社会人になって人材派遣会社で働き出した頃だ。
当時、派遣スタッフは長期稼働が多かったので、労務管理がメインだった。
担当している派遣スタッフから職場での不満や給与面での不満、もしくは派遣先を辞めたい
などと言われる。それらを称して『トラブル』と呼ばれていた。
そのトラブルに対して営業マンは、派遣先企業に報告や相談をしながらスタッフの問題を
解決したり、交替したりして対処する。
人材派遣は商品が人なので、工業製品のように常に決まった能力、機能を持った商品を
在庫としてストックしている訳ではない。
タイミング良く、望むような人が居ないのだ。
だから営業マンは、担当スタッフにやたらと辞められたら精神的に追いつめられる。
そんな状況の中で、トラブルの第一位は決まっている。
『辞めたい』
理由はさまざま。
母親が病気になって家事をしなければならない
父親が入院したので毎日看病しなければならない
派遣先で女性社員のイジメがある
残業が多い
派遣先の上司が嫌い
などなど。
そんな話しをしょっちゅう聞いて、その度に派遣先企業にお詫びを入れて
苦労しながら交替要員を探す営業マンからすれば「女は感情的だ」と言いたくもなる。
でも、実は感情的になっているのは営業マンの方なのだ。
毎日のように女性から「ああでもない、こうでもない」と不満を聞かされ
何とか我慢して続けてもらうように説得する。しかし最悪のケースでは辞められる。
そして派遣先企業から文句を言われて、謝って・・・それが嫌なのだ。
派遣スタッフの話を聞いて気持ちを理解し、状況を把握する。
そして、それに対して的確な意見を返す。
どうしても辞める結論に達すれば、派遣先企業の担当者に状況を報告し、
業務に支障が無いスケジュールで交替をする。
それが自分の仕事なんだと思って淡々とこなせれば「女は感情的だ」などと言う気持ちは
持たないはずなのだが・・・。
『女性は感情的』
この考えは、男性の感情的な気持ちから生まれたものかもしれない・・・。