チャイルド・フリーという生き方

 

Will You Be Mother? Women who choose to say no

 

著:ジェーン・バートレット(Jane Bartlett)

訳:遠藤公美恵

 

First published in 1994, UK

2004年3月10日 初版第1刷発行

株式会社新曜社 発売

有限会社とびら社 発行

ドーンセンター情報ライブラリー/堺市立図書館より貸し出し

 

「母親になって後悔してる」を

 

 

読んで、子どもを持つことについて

もっと考えてみたくて読みました。

 

本書は1990年代頃のイギリスで

あえて子どもを持たない選択をした

50人の女性のインタビューを元にした本です。

子どもを持たない理由はそれぞれでしたが、

女性が母親になることへの社会的抑圧は

「母親になって後悔してる」に出てきた

社会規範と共通しているように感じました。

 

社会に蔓延する母性の神聖視に

言及している箇所が多数ありました。

妊婦であることはその女性が性行為をしたことを

明確に表しています。

社会的に女性の性欲などのセクシュアリティが

オープンに受け入れられていないのに、

母性だけは容認されています。

産後鬱を始め出産は女性に多大なダメージを与えます。

にも関わらず中絶へのネガティブな反応に対し、

出産のリスクは軽視されています。(p.173)

ジェルメーヌ・グリーアは

多産は処女性と貞淑に結びつけられているのに比べ、

不妊は色欲と性的な罪と結びつけられてきたと

指摘しています。(p.270)

女性が性的にアクティブであることが

多産ではなく不妊に結びついていることや

貞淑が不妊に結びつかないことは矛盾しており、

いかに女性のセクシュアリティで母性だけが

文化的に重視されてきたかを物語っています。

 

明日の読書会を前に読み終わって良かったです。

子どもを持つことや母性について

より一層考えを深めることができました。