Regretting Motherhood 

 

著:オルナ・ドーナト(Orna Donath)

訳:鹿田 昌美

 

Originally published in 2016, Germany

2022年3月25日 株式会社新潮社

ドーンセンター情報ライブラリーより貸出

後、電子書籍hontoより購入

 

次のフェミニズム読書会の課題本を読了しました。

母親になったことを後悔する女性たちへの

インタビューを中心とした

何故、どのように母親になったことを

後悔しているかを調査し研究した本です。

著者が住まうイスラエルは先進国の中では

突出して出生率が高いです。

本書で述べられている母になることの

社会的プレッシャーは

そこに由来しているのではないかと感じました。

 

本書に出てくる母親たちは子どもを愛しているけれど

母親になったことは後悔しており、

母親でいることに苦しんでいます。

インタビューを読んで感じたのは

「母親」であることで自分の人生を

諦めなければいけないことに絶望する

女性たちが多いようです。

 

社会規範として母親になることが

理想化されていることで

出産以外の道を見つけにくい状態にあることを

フェミニスト哲学者である

ダイアナ・ティージェンス・マイヤーズは

「想像力の植民地化」としています。(p.39)

これは理想的な母親像が押し付けられていることにも

該当すると思います。

 

"すべての人間は確かに女性から生まれるが、

女性は生まれつきの母親ではない。

 

女性に世話や保護や教育や

この関係性が要求する責任を

負わせることにはならないのだ”(p.64)

とあるように全ての女性が

母親に適正があるか、母親になりたいかは

個人差があってしかるべきであり、

女性に母親になるように社会や政治が望むのは

間違っていると改めて思いました。

 

"子どもを手放すために

愛する男性をあきらめる”(p.195)

という声には

その逆はよく見聞きするけれども

この意見は私は聞いたことがなく

社会に浸透している「母性神話」を実感しました。

 

「同意」と「意思」の違いで

セックスに応じることと、

セックスを望むことは同義でないという

視点が非常に印象的でした。(p.60-61)

それゆえ子どもを持つことは

女性の真の望みではない

可能性があることを教えてくれます。

 

本書を通して母親になることの責任や

メリットをよく考えて

自分が本当に子どもが欲しいのかどうか、

真剣に向き合うことの必要性を感じました。

同時に人間には適性があり、母親になった後に、

そのことを後悔する可能性があることを

考慮に入れておくべきであると思いました。