The Real British Secondary School Days 

 

著:ブレイディみかこ

 

2021年9月15日 発行

株式会社新潮社

ドーンセンター情報ライブラリーより貸出

 

エリザベスⅡ世女王陛下が崩御された

昨日、読了しました。

非常にショッキングでしたが、

老衰で安らかに亡くなられであろうことが慰めです。

エリザベス女王陛下に追悼の意を捧げます。

以前読んだ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の

完結編を読みました。

 

 

著者の息子の中学校生活と

2019年前後のブレグジット問題に揺れる

イギリス社会が描かれています。

最後は息子の親離れという成長の訪れで終わります。

 

音楽のテストでビートルズのメンバーの名前を書くなど

日本とは異なる教育システムが面白かったです。

特に印象的だったのは学年委員の面接で

リーダーの資質という質問に対して、

著者の息子が答えた

 

"導く(LEAD)ということは、

前から引っ張るということだけではなく、

ときには一番後ろに立ち、

後部が離れてしまわないように

押し上げる(PUSH UP)こと” (p.77)

 

という回答に、

これこそが誰も取り残されない社会であるべく、

公共が持つべき精神だと思いました。 

この言葉は著者の保育の師匠がよく言ってきたことで、

著者は幼い頃に聞いたその言葉が

息子の中で生き続けていることに教育の有り様を感じます。

 

また国語でのスピーチで学習する

スピーチの手法、5Sも勉強になりました。

5Sでは以下の順番で書き進めます。

  1. Situation(状況) 
  2. Strongest(主張)
  3. Story(経験談)
  4. Shut down(反論への論述) 
  5. Solution(提案) 

弁論術を学習するのはヨーロッパではよくありますが、

論理的思考を養うのに効果的だと思います。

 

貧困、差別、教育など現代社会での問題について

見地を広げてくれる本で、

特に中高生に読んで欲しいシリーズです。

勿論大人にもお薦めです。