フランス海軍軽巡洋艦 グロワール・潜水艦 スルクフ(1:400)ペーパークラフト | ladder-23のペーパークラフトとか日記

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模型(主にペーパークラフト、カードモデル)の製作日記や普段の出来事の覚え書き

French cruiser LA GLOIRE 1944,submarine cruiser SURCOUF
フランス海軍軽巡洋艦 グロワール + 巡洋潜水艦 スルクフ
(JSC 074) 1:400 ペーパークラフト  

 

1月上旬より作成していたフランス軽巡洋艦・グロワールこれにて完成です

第一次世界大戦後、前時代的な軍艦しか所有していなかったフランス海軍が

外洋渡航性に優れた高速艦隊を編成する艦としてダンケルク級戦艦などと共に

建造されたラ・ガリソニール級軽巡洋艦の1隻(4番艦)でした

 

当時の軽巡洋艦の中では速度・装甲・火力のバランスが良く就役時には

各国からの注目も強かったと言われます

一方で多くのフランス艦と同様に実戦でその性能を発揮する機会に恵まれなかった艦でした

 

学校の歴史でも習う通り、第二次世界大戦の開戦から間もなくフランス共和国は

ドイツの陸からの侵攻により降伏し、グロワールも枢軸国と海戦する間もなく

指揮系統を失い、ドイツの傀儡のフランス・ヴィシー体制下の海軍に組み込まれ

連合国と戦う立場となりました

しかし、またしてもグロワールの運命は一転

ヴィシー体制フランスのアフリカ作戦の一環でダカールを目指したグロワールは

その行動中に連合国の艦艇に遭遇、機関故障も重なり敵を振り切ることもままならない

グロワールは戦うことなく連合国に降伏、接収されました

 

連合国に接収されたグロワールは米国に回航されて防空兵装の強化などの近代化改装をうけ

亡命フランス人で構成された自由フランス海軍の所属となり

今度は祖国を取り戻すために枢軸国と戦う側となります

連合国・自由フランス海軍の艦艇としてグロワールは地中海での反抗作戦で

対地砲撃や兵員輸送の支援を行いながら終戦を迎え

戦後もグロワールは復権したフランス共和国の軍艦として数度の海外派遣などを経験しつつ

1955年に退役、58年に解体されてその生涯を閉じました

 

フランス海軍の新たな対水上戦力の一角として建造されながら

結果、陣営を二転三転し水上艦艇との戦闘を経験することは無かった本艦

性能を発揮する機会を得られなかった事では不憫でもあり、

一方では数度の危機をその性能に寄らずに回避した幸運艦でもあるのかもしれません、

面白い経歴の艦でした

 

蘊蓄が長くなりましたがキットの話へ

当ブログではお馴染みのポーランドJSC社出版の1:400カードモデルです

キットの仕様は1943年時点、アメリカでの改装を終えて自由フランス海軍の

所属となった状態を再現している物で、水上機設備の撤去と対空機銃の増強が行われた姿

一番に目を惹くのはやはり船体全体の縞模様(ダズル迷彩)でしょうか

プラモデルの塗装でこれを再現しようと思うとさぞ大変な事かと思える迷彩ですが

それを印刷で再現できるのはカードモデルのアピールポイントの一つかと思えます

 

フランス艦自体があまりラインナップが濃くないJSC社が経歴的にはパッとしない(失礼)な

グロワールをキット化しているのもこのダズル迷彩が面白いからかと邪推したり

 

キットとしては対空火器の多さから軽巡としては工数的なボリュームの多い艦でしたが

テクスチャ等はシャープで型紙部分については作りにくい部分は無かった印象です

ただし、余程古いキット以外は大体出ているJSC社のレーザーカット済み別売りオプションパーツが

このモデルには出ていないようで、割と目立つ艦橋の足元のトラス部分やレーダー

数の多い救命筏とその支柱など普段はオプションパーツに頼っている部分を自作する事になるのは

なかなか大変でした、

次に再販掛かる時なんかにオプションパーツも出てその辺ハードル下がると良さそうです

(もう一回作るかは別ですが)

 

 

オマケに付属モデルの潜水艦スルクフ(シュルクーフ)も

ちょっとミリタリ齧っててしかも珍兵器好きならまず知っているであろう

フランスの巡洋潜水艦、潜水艦でありながら203mmの連装砲塔を擁し

観測用の水上機も搭載、後の日本のイ400型には譲りますが当時としては最大級の潜水艦でした

その航続距離と火力を活かした通商破壊任務を目的に建造された当艦ですが

この手の兵器の例にもれずその主砲が活躍する機会はなく、主砲に使いどころが無ければ

観測機も無用の長物…とその艦歴のほとんどは観測機をおろされて

物資が多く積めて長期航行できる潜水艦として過ごしました

 

フランス共和国の降伏時はイギリスの輸送船の護衛船隊の一隻として活動していたスルクフは

グロワールのようにヴィシー体制に下る事無くそのまま自由フランスに編入されますが

1942年、大西洋を移動中に消息を絶ちます、諸説ありますが同時期に同海域を

航行していた貨物船との衝突による沈没とされますが今日でもその残骸は発見されていないようです。

 

キットとしてはグロワールの付属、という事で割とシンプルな構成です

スルクフの個性と言える20cm連装砲も砲塔の旋回部はパーツ分けなどは無く艦橋と一体での造型

グロワールとのセットですが船の経歴としてはグロワールとの接点は無く

またキットの再現状態もグロワールが近代化改装後の自由フランス所属状態に対して

スルクフは機銃の装備状態や水上機を搭載しているところから造船時の状態のようと年度もバラバラです

 

単純にフランスの面白艦を抱き合わせたといったところかもしれませんね

買う分には2隻セットは嬉しいので良いですが

 

 

 

最後にイタリア重巡ボルツァーノ、イギリス軽巡シリアスと並べて

軽巡洋艦としては大きい船体が判りますね

排水量は立場的にはイギリスではタウン級、日本では最上級あたりと比べるべきでしょうが

いずれその辺も作りたいですね

あとボルツァーノの艦首のストライプが大分退色してしまっています、

やはり印刷物、環境や色によっては色が褪せてしまうのは仕方ないですね

 

何はともあれ2月末にして今年の完成物1隻目でした

次は何を作りましょうか