三菱重工 大江時計台航空史料室(2021/8/18) | ladder-23のペーパークラフトとか日記

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模型(主にペーパークラフト、カードモデル)の製作日記や普段の出来事の覚え書き

 

夏季休暇を利用してかねてより興味のあった三菱重工の航空資料室に行ってきました

 

 

港区にある三菱重工の工場区画の一角にある資料館ですが

入館は無料ながら公開日が平日(現在は水木金のみ)のみで予約制と言う事で

普段の休日には行くことが出来ませんでしたが

今回は世間とズレてる会社の夏季休暇のお陰です

 

港区と言っても地下鉄で行けるガーデンふ頭とは対岸に当たるため

移動はバス、大江町バス停を降りると名鉄東名古屋港駅の前

名鉄築港線という単線で2駅間を往復するのみという通勤用のとても短い支線の駅

通退勤の時間にしか走っていないので今回は乗れませんでした

 

バス停から歩いて10分ほどで到着

名前の通りの時計台が目印

 

受付で予約の確認をして館内ガイドのタブレットを受け取ります

 

因みに館内は撮影禁止、手荷物とスマホ類は全てロッカーに預けて

メモ類も禁止という徹底ぶりです

撮影可能なエントランスでの館内案内図

案内図にシルエットが描かれている通り

零戦とロケット戦闘機秋水の実物大復元機の展示が目玉です

…これだけでも写真を撮りたかった

 

エントランスのパネルの記念撮影をしたら館内へ

 

撮影禁止の為アップできるような写真も無いのですが

備忘録も兼ねて展示の感想を

 

大戦中の主力航空機メーカー三菱の資料館だけあり

戦時中の航空機の設計・開発・生産に対するメーカー視点での詳細な展示が主となります

良くある航空機の解説では「xx年開発開始xx年初飛行」程度に記述される中で

どのようなスケジュールで、どのような問題を解決しながら飛行機を設計したのか

当時の三菱の社内資料や議事録、進捗管理表を手に取れる形で展示しながら解説しています。

 

細かな計算がびっしり書かれた設計者のノートや手書きの問題発生報告書など興味深い

資料が多数あり。

 

エンジン開発に関する展示も力が入っていました、三菱だけあって空冷贔屓

火星エンジンと金星エンジンの展示あり

 

展示室2F「04」コーナーには1:32スケールの模型が多数、これだけでも十分見応えがあります

個人的に好きな九二重爆の模型があったのも良いです、九二重爆に関しては

ドイツからの技術導入の例として大型のパネルを含む解説もありました

…九二重爆についてこんな細かく解説されてるの初めて見ました

 

航空機の生産に関する展示では戦前の生産環境から

戦中、そして末期の過剰化する軍の生産要求に対し技術者も生産施設もどんどん失うメーカー

としての視点での解説、資料展示

疎開計画書やドイツの秘匿工場を参考にしての工場建設の検討資料など時間があれば

じっくり目を通したい所です

 

復元機展示の零戦と秋水、展示室1Fに展示されていますが

2Fの吹き抜けから見下ろす事も出来るなどいろいろな視点から見る事が出来ます

そこそこ近くまで近づく事も出来るのでじっくり見れます

三菱による復元機だけあり細部まで再現されています、先月くらいにあいち航空ミュージアムで

映画セットの零戦レプリカを見た後なのでなんとなく情報量と言うか解像度の違いを感じました

 

まぁ元はあいち航空ミュージアムに貸与されてたんですけどねこの零戦復元機…

紆余曲折あって腫物扱いで館内案内にも載らずに「昔の飛行機工房」みたいな名目で

隔離展示されていました、ちゃんと扱ってもらえるようになったら今度は撮影禁止なので悩ましいものです

 

秋水復元機は試製のオレンジカラーではなく明るめの濃緑色と明灰白色の

標準的な日本軍カラー、模型で見ると極小の航空機ですがやはり実物大で見ると

迫力というか形状も相まって強烈な存在感があります

原型のMe163の話ですがこんなんが火を噴きながら飛んで来たら

初見の連合軍パイロットが腰抜かすのも無理はありません

 

上述の航空機開発スケジュールについての展示に他の三菱機とならんで

秋水の開発スケジュールもあったのですがMe163の図面入手から

どれだけ突貫で初飛行までこじつけたかを見るとなかなか凄い話です

負けが込んでも高性能な新型機がポンポン出てくるアニメの悪役軍隊のようにはいきませんね

 

復元機展示とロ号エンジンの展示で展示室は終わり

パンフレットなどもないので持ち帰れるのは思い出と記念スタンプだけです

 

平日限定の予約制と言う事で訪れるのはやや難しい資料館ですが

展示内容はとてもディープながら理解しやすく解説されているので

航空機ネタの好きな方にはお勧めできる資料館でした

 

館内の撮影不可はほぼ全体が三菱の資料だらけなので仕方がないですね

欲を言うと復元機だけでも撮影機会があると良いのですが…