Bulk carrier SS Edmund Fitzgerald (JSC)
ばら積み貨物船エドモンド・フィッツジェラルド
1:400 ペーパークラフト
1月最初の完成品は、鉱石運搬船「エドモンド・フィッツジェラルド」号です

去年の総括で艦船モデルでは民間船を作っていなかったのに気が付いたので
今年は民間の貨物船からスタートしました
貨物船、と言っても外洋の物ではなく北米の五大湖で運用されていた鉱石運搬船
海のように広い五大湖ですが細い水路や関門を通過する必要も有る為
船幅は狭く細長いスタイルに加え、細かな操舵が出来るよう視界の良い船首にブリッジがある構造が特徴的です

1958年に建造され、船長222mという大きさは当時の五大湖の貨物船では最大の物でした
甲板上にずらりと並ぶハッチカバーは、ばら積み船(バルクキャリアー)ならではの特徴、
エドモンド・フィッツジェラルド号の場合船倉は内部で3区画ですが、荷役の効率化の為にハッチは21か所も設けられています、
荷役時間は少しでも短縮する、水運業界の効率重視の姿勢を感じられます

このエドモンド・フィッツジェラルドが運んでいたのは五大湖を中心とした工業の根幹となる鉄の原料(ペレット状に加工したタコナイト鉄鉱石)
これらのハッチから流し込むように鉱石を積載していました

「エドモンド・フィッツジェラルド」という船名は、所有企業である生命保険会社(ノースウェスタン・ミューチュアル)のCEOの名に由来。
本人は控えめな性格だったようで、自分の名前を大型投資案件である本船に付けることをためらっていたと伝えられていますが、その懸念は後年、最悪の形で現実となってしまいました。
1975年の冬、強風雪警報が発令されていた中、タコナイト鉱石を満載し出港したエドモンド・フィッツジェラルド号を猛吹雪が襲います

25kmほど離れた距離を航行していた別の貨物船へ、船の一部が破損したことを無線で伝えながらも吹雪を耐えていたエドモンド・フィッツジェラルド号ですが、数時間後「何とか耐えている」という最後の無線から僅か15分の間に救難信号を出す事もなく付近の船のレーダーから喪失、捜索へ向かった船も救命筏やボートの破片しか発見できず、緊急退船する間もない沈没であったと推測されました

後の調査でエドモンド・フィッツジェラルド号は真っ二つになり前後が離れた位置の湖底に沈んでいる事が確認されましたが
視界を妨げる吹雪の中、沈没の瞬間を確認できる物はなく、様々な要因が推測されながらも222mという巨体がいかにして救難信号も退船も間に合わない急速な沈没に至ったのかは特定できず、今日に残る謎と教訓を伝える船でした
生存者無しの巨大貨物船の沈没、というだけでもセンセーショナルな事故として記憶されますが
この船については更にカナダの歌手ゴードン・ライトフットが、この事故について鎮魂歌的に歌いあげた曲「The Wreck of the Edmund Fitzgerald(エドモンド・フィッツジェラルド号の難破)」がヒットしたことでも多くの人の記憶に残った事故となったようです

比較対象になるような同スケール貨物船‥は無いので大戦中のイギリスの輸送船(CAMシップ)と並べて
標準的なサイズの輸送船と比べても倍近い大きさと、細長いスタイルが特徴的ですね
実のところ、普通の貨物船が欲しい位の理由で購入したモデルで具体的にどんな船かは知らなかったのですが
調べてみると印象的な船の来歴や五大湖の貨物船事情などにも広がって興味深く製作する事ができました
キット自体はパーツ数も少なくシンプルな船ですがこういうのも模型製作の醍醐味ですね
貨物船ジャンルも他にもコンテナ船とかガスタンカー、自動車運搬船…etcと色々機能に特化した船がある世界
いずれまた別の船を作ってみたいものです