知らないことは恐ろしい、労使のためならず! | ★社労士kameokaの労務の視角

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ー特定社会保険労務士|亀岡亜己雄のブログー
https://ameblo.jp/laborproblem/

仕事柄、労使(労働者=従業員と使用者=企業)に向き合うことが多いのだが、何年仕事をしていても驚かされる。専門家でないからとはいえ、労使ともに、労働法、社会保障法を知らなさ過ぎることに。

 

労働法とは、そういう名称の法律は存在しておらず、採用から退職までに関係する労務・労働に関係する法律の領域を表す集合体のようなものだ。社会保障法は、年金(老齢・遺族・障害)、労災保険、雇用保険、健康保険、介護保険などの法律の領域を表す集合体のようなものだ。

 

もちろん、専門的に知る必要はない。しかし、基本レベルぐらいかじっておかないと相手とまったく会話になっていないのではないか、お互いに意味が理解されないまま会話しているのではないか・・・そう感じられることが多い。

 

たとえば、

ある従業員が「入社して3年間がんばってきたのですが、退職になるんです」と言うので、「じゃあ、年次有給休暇をとって退職できますね」と伝えると、「えっ?有給休暇って何ですか。私にもあるんですか」

 

①年次有給休暇は、会社がとらせてくれないとか、引継ぎをしなければないとかなどで問題化するのだが、年次有給休暇があることすら知らない労働者もいる。

 

もっとも、会社は、年次有給休暇をとることを勧める義務まではないのでノータッチでかまわないことになっている。福利厚生的には、取得できることを教示したほうがベターだとは言える。

 

②どうみても業務上のけがなのだが、会社に言ったら、「それは労災にはできないから労災請求はしない」と言われて、途方にくれている労働者もいる。

 

けがが労災にあたるかどうかは会社に決定する権限はないことを知っているだけで途方にくれることはなくなる。労災だと扱いたくない点もわからなくはないが、知っていれば会社も法的に間違った対応をしなくなる。

 

③退職理由の問題は、雇用保険法を知らないことでたくさん生じている。また、どこかの記事で詳細は何回か触れるが、「会社都合」「自己都合」の2択で亜流我流に思考しているだけで、労使の会話が通じ合ってはいないことが多い。

 

労働者:「会社都合にならないんですか」

会社:「会社都合にはならないね」

労働者:「じゃ、自己都合だっていうことですか」

会社:「とにかく、会社都合にはならないよ」

 

何が会社都合、何が自己都合なのか、労働者と会社で思っていることや認識が違ったまま会話している状況だ。この会話で何かが変わることはない。退職金に差が出るケースでは労使で紛糾することにもなりかねない。

 

今回、あげた例は、何年経っても非常に多い。一部上場企業の人事担当者が登場する事案も多いのだが、やはり、あまりにも労働法、社会保障法を知らない場合が多い。

 

わからないもの同士が何かをすすめようと、何かを決めようと、一生懸命向き合って会話しているが、矛盾が生じたまま、時間だけが過ぎている状況になっていることが顕著にみられる。

 

労使に向き合うたびに、労務の小説でも、入門書でもいいので、本を読んで、労働法や社会保障法を少し知ってほしいいといつも思う。知れば、労使ともに力になる。前進するための有益な会話も少し可能になる。

 

本は、タイトルのテーマについて体系的な知識が習得できる点がメリットである。

ネットは便利だが、ザッピングな情報(細切れ情報)が入手できるだけ、絶対いけないわけではないが、多くはネットで得られるのは、知識ではなく情報であることが多いように思える。

 

少し知ろう!労働法、社会保障法・・・・。労使共栄のために。

 

参考になりましたら幸いです。

 

【特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】