7月23日の夜、待ちに待ったオリンピックの開会式が行われた。ここに至るまでには紆余曲折があったものの、国民の多くがワクワクしながらテレビにかじりついていたかと思うと感慨深い。
ところで、社会保険労務士としては、子どもたちがたくさん出演して、開会式の盛り上げ役を担ってくれたことは喜ばしい一方で、この時間に働かせて大丈夫かと思ってしまった。
ここで言う子供は、法律が定める18歳未満の年少者であるが、原則として、22時から5時までの深夜に働かせることは禁じられている。
さらに、児童(法律で言う、ざっくりとした括りでは中学生以下)は、禁止される深夜時間帯が、20時から5時となっている。
どう見ても、働かせてはいけなかったという結論になってしまう。それでも、オリンピックの開会式の出演だけだよとの意見もありそうだが、たった、1日でも、1時間でも、雇用にあたる場合は、労働基準法の深夜労働の禁止があてがわれてしまう。
また、青少年の健全や育成の概念からは、正当な理由がある場合以外、青少年を深夜(この場合の深夜は23時から4時)に外出させないようにとの努力義務がある【東京都青少年の健全な育成に関する条例第15条の4】。
健全育成条例の深夜時間は、同様の条例がある都道府県により異なる場合があるが、東京都では、労働基準法の規定を考慮して23時から4時となっているようだ。
続けて条例は、、正当な理由がない場合は、青少年を深夜に連れ出し等してもいけないとある。子供たちに賃金が出たのかどうかは不明であるが、何回か大人の指揮のもとに稽古を繰り返して準備をし、開会式本番に出演したのだろうから、臨時ではあるものの実態は雇用は雇用と考えられるのだろう。
オリンピックの開会式でふと、こんな景色を見ていたことは、職業病かもしれない。
しかし、開会式は自分でもワクワクと胸躍るものがあった。スポーツはいい。
【特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】