先月、Cognitionというオンライン研究ジャーナルに "A critical period for second language acquisition: Evidence from 2/3 million English speakers"という論文が発表されました。この論文のデータ収集の方法などについては、前回のブログを見てください。

 

この論文のタイトル、「第二言語習得における『臨界期説』に関する66-70万人の英語話者のデータからの分析」が示すようにかなりのビッグデータを使って、「何歳に英語を学習し始めた人の何パーセントが何歳くらいで、ネイティブスピーカーと同じレベルに達しているか」「英語学習者は、何歳くらいに 文法 語彙などの言語学習能力が下がっていくか」などを証明しています。

 

この研究が発表されるとすぐに、多くのインターネット記事で、引用されました。

いくつかの例を紹介すると...

 

新たに言語を学ぶことが難しくなる年齢(言語習得臨界期)は、17歳くらいだ。

 

10歳までに始めれば、ネイティブのモノリンガルの英語力とほとんど変わらないレベルに達する。

 

外国語として英語を習っている場合、11歳以降で習い始めた英語学習者は11歳前に始めた学習者に比べ、英語力が低いままだ。

 

確かに、データを見ると、決して間違ってはいないのですが、正確にいうと

 

....the last age of first exposure at which native-like attainment is still within reach is likely well prior to 17

と原文が書いているように、

 

「ネイティブと同様のレベルに達するには、17歳前に英語を習い始めるといい」わけですが、17歳以降になると学べなくなる・ネイティブと同様のレベルには達しない ということではありません。

 

イマージョン(ここでは、英語圏に暮らし、日常英語を使用している環境のことをいう)の環境で英語を学習した場合、10歳くらいまでに始めた人は、モノリンガルの英語話者と同じくらいの文法の正解率に達しているが、12歳以降から始めた学習者は、モノリンガルの英語話者に比べ、正解率が低い。

 

外国語として、非英語圏で英語を学び、家族に英語話者がいない場合には、何歳で始めようとも正解率は低いし、モノリンガルの英語話者のレベルに達していない。

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0010027718300994

より引用

 

と書かれています。

 

この研究に参加した70万人近くの人は、自己申告で「英語を習い始めた時期」「自分の母語」をインプットしているわけですが、すべて英語で書かれている指示が読めて、参加できるので、まったく英語ができない人というのは、ほとんどいないはずです。

正解率を見ても80%以上の正解率の中でのモノリンガル英語話者との比較で、かなりの個人差があるものと思われます。

 

うちの娘のように、生まれたときから英語に触れているけれど、母語は「日本語」にして参加した場合、「イマージョン英語学習者」というカテゴリーになりますが、11歳の時点で、語彙では 英語のモノリンガルとの差がないという判定になりました。問題をやっている時の様子を見ると、30問くらい中、15問くらいは、自信を持って答えていましたが、残り半分は、かなりGuessしていたようでした。

そういう私は、母語は「日本語」にして 英語を学び始めたのが、正確には3−4歳の時イギリスに住みましたが、ほとんど何も覚えていないので 11歳として、28年くらい英語圏にいると インプットして参加して見たら、娘とあまり変わらない点で、私の年齢では、モノリンガルネイティブ英語話者とかなり差があるという結果になりました。

 

このことから、私なりに勝手に分析すると

 

子供のうちは、英語モノリンガル話者でも まだわからない語彙があり間違えることがある。そのため、英語が母語じゃない話者との差はあまり大きくない。

 

たいていの大人の英語モノリンガル話者なら100点が取れる語彙テストで、英語が母語じゃない話者は、一つか二つ間違えただけでも、正解率においては、モノリンガル話者と大きな差が出る。

 

英語圏で10年以上暮らした経験がある非英語話者は、17歳前なら大半が、英語圏の学校で英語を習っているが、20歳以降まで、英語を習ったことがなく英語圏に来た人の多くは、母国であまり教育を受けていない移民なので、「英語の語彙や文法」をきちんと習っていないので、正解率は低い。つまり「学習能力」が低下したのではなく、元から習っていないので、知識がない。

 

ということになります。

 

やはり「言語習得臨界期説」と大きく出るなら、英語だけじゃなくて、様々な言語でやってみていただきたいな〜っと。

私は、英語母語話者が第二、第三言語を学ぶ場合には、先天的な学習能力とか適正とかによって、習得可能な年齢がもっと高くなるのではないかと推測しているのですが、どうでしょう。

 

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