昨日、アメリカではteacher appreciation week(5月の2週)というのがあって クリスマスの時期や学年末以外にもこの時期に先生プレゼントをあげる学校があると書きました。(昨日の記事はこちら)
私は日本に住んでいた時、近所のお子さんに英語を教えていました。その頃の私はまだ20代で、一人暮らしだったのですが、50人くらいの子供たちが英語を習いに来てくれていました。初めて 保護者の方に「お歳暮」をいただいた時は びっくりしました。
確かどこかのデパートから送られて来たジャムのセットだったと思います。
一人前の社会人として、認めてもらえたようで、とても嬉しかったです。そのあと、数名の保護者の方からもお歳暮をいただきました。お子さんのお迎えの時ではなく、そっと届けてくださったり、宅配で届いたりしました。
それから 数日後、一人のお母さんにスーパーで会った時、「XXさん(初めてお歳暮をくださった人)が、クリスマスパーティのことで、先生にお電話したいんだけど、この時期にすると『お歳暮 届いていますか。』とお礼の催促をするようで、連絡しにくいから、私から聞いておいてほしい、と頼まれました。」と言われました。
あの頃(30年近く前)、デパートからお歳暮を送ると、届いているかどうかを調べる手立てがなく、先方から「お礼」がないと心配になったものでした。自分は子供もいなかったし、上司もいなかったので、お中元やお歳暮を送ったことがなく、そんな常識さえわかっていなかったのがとても恥ずかしかったです。
その頃は、本当に何をいただいても とても嬉しかったです。今でも何をいただいても嬉しいのですが、公立大学に勤めているので、学生から贈りものをもらうと、どうしても手放しには喜べず、心から「こんなことしてくれなくて、いいのに。」と思います。
英語でもプレゼントをあげたり、お土産をあげると" Oh, you do not have to do this."と言われることがあります。
これは、日本語の「お気遣いなく」に似ています。
贈り物をもらって迷惑、、、というニュアンスではありません。
日本の学校では、先生に「親からの贈り物をもらうことは禁止」としているところも多いようです。特に個人的に一人で公立学校の先生にプレゼントを贈るというのは一般的ではなく、クラスでお金を集めたり、数名の有志で相談して、学校宛に差し入れをしたりすることが多いと聞きました。
アメリカの学校でも「個人的な贈り物」の規制をしているところはありますが、一般的にいうと、アメリカの方が 個人間(保護者から先生)の贈り物は多いように思います。
ちなみに我が家は、夫の実家の近くの小学校に娘を体験入学させてもらっていますが、担任の先生個人へのお土産やプレゼントは、とても気にされるようで、いつも目立たない小さいものを最後にそっと渡すようにしてきました。
そういえば、心に遺るエピソードが一つあリます。アメリカの大学で、教鞭を取っていた日本人の先生が、50代半ばに、日本の大学教授だったお父様のお葬式に出たところ、たくさんの教え子がお焼香に来ているのを見て「アメリカの大学にいたら、こんなに教え子が自分の葬儀にきてくれる事はないだろう」と思い、60歳になる前に、日本に帰られたそうです。
その後、日本の大学で定年を迎え、80歳で亡くなられたときには、日本国内だけでなくアメリカからもたくさんの教え子の方が葬儀に参加されていました。
教師だった私の母がよく「教え子が卒業してから、毎年年賀状をくれるのが一番の楽しみ」と言っていました。今ではSNSの普及で、何年も前の卒業生と繋がれますから、何年も経ってから、私をSNSで見つけてくれて、お礼のメッセージを送ってくださるのはとても嬉しいです。
いつまでも 私と私の授業を覚えてくれていること、それが一番の教師冥利に尽きるように思います。
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