11度目の台湾旅行 2015年9月10日~12日 1日目その3 「KANO」の世界とアートな夕刻 | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

 もと来た道とは違う道を選びながら、再び脚踏車あかチャリ 自転車で走ります。私たちが目指すところ、それは、私がどうしても行きたいとリクエストしていた場所。そう、天下の嘉農…」の舞台、阿里山鐡路北門站すぐ近くに ある檜意森活村『KANO故事館』です。ここは、私達の宿「玉山旅社珈琲」からも目と鼻の先です。(徒歩でも1分)

 檜意森活村(通称:HINOKI VILLAGE)には、嘉義縣にあった日本時代の木造建築28棟(すべて檜造り)を移築した文化區があります。2012年、ようやく全体が完成。お土産屋さん、蜂蜜など物産を扱うお店、カフェやジェラートショップ、手作り製品を販売するお店、ギャラリー等として保存されており、観光地としても人気があります。その一角に『KANO故事館』が2014年8月3日、正式に開館しました。内部は映画KANOを撮影したときに使った近藤監督の家の内部を再現しています。 


もともとは、日本高級官僚の官舎だったものを60年の歳月を経て、木造歴史建築群を保存するために、昔のままの原木を使い日本の伝統工芸法により復元したのです。
  『KANO故事館』、入場料は30元です。
野球KANO故事館誕生秘話野球
 計画当初は、地元を愛する商業メンバー有志から自主的な参加があり、経費はすべて彼らの自己資金によるものでした。あわせて優秀なガイドツアーボランティアの参加も呼びかけました。嘉義市民による熱い想いで再現・保存されているKANO故事館、その館内は1930年代の雰囲気が漂うと共に、嘉義農林野球部が活躍した輝かしい歴史を呼び覚まし、当時の感動を再現しています。

 映画「KANO」、私は、台北で1回、神戸で1回見ています。もう、どれだけ感動したか。まだご覧でない方、台湾でも、日本でもDVD、Blu-ray が発売されています。ぜひ、ご覧ください。ますます台湾が好きになります。「KANO」を見た後、高校野球を見るとその感動の度はますます高まります。今年の夏の甲子園 甲子園、とても熱かったわー。

 玉小姐と小沐は、「KANO」を見てないそうです。それでも、お付き合い下さいました。

  
  入り口横のこの風景、映画でも登場していましたね。古い自転車、趣があります。うしろに誰かを乗せて走る…自転車、暖かくて穏やかで、そして、言えない想いもそこにあって…。呉明捷投手(アキラ)と阿静(台中のお医者さんに嫁いだ女性)のもどかしくも儚い恋の場面や、農業教師:濱田先生が自転車で奔走するシーンを思い出します。


  入口の外には、選手の名前が書かれた靴箱があります。左のモニター画面では、「KANO」撮影中の様子や、製作陣・出演者のインタビューが流れています。


  入り口はバッターボックスを思わせるもの。靴は脱がずに上がれます。小沐浴が「不脫鞋 tuō xié」(靴を脱がなくて良い)と教えてくれます。「脫鞋」 「不脫鞋」、大切な言葉だと実感。そして、この「脫」という単語、五月天『擁抱』という曲の冒頭部に出てくる歌詞下長日的假面 奔向夢幻的疆界」kei 訳:ずっと偽ってた仮面を脱ぎ捨てて 夢の世界へかけてゆこう)に出てきた単語。五月天の歌詞で知った単語をこんなふうに日常会話で応用する…、とても効果的な勉強法だと思います。歌詞も会話も覚えられるぞすごい!!


  入り口を入ると、廊下や奥の部屋には「KANO」関連資料がぎっしり!!嘉義農林が活躍した1920年後半から1930年代の嘉義にタイムスリップした気がします。当時の地図、撮影中の様子など、いたるところに掲示されています。この作品を創るに当たり、嘉義の皆さんが、たくさんの力を合わせてくれたこと、期待を寄せてくれていた思いに感動します。

一歩足を踏み入れ場、そこは「KANO」ワールドです野球。選手一人一人の紹介もあります。


当時の地図。
IMG_20150919_125745108.jpg 当時は、日本と同じ区画整備がされてたようです。住所は、「市」 「町」 「丁目」表記になってます。地図を見て、玉小姐から「丁目って何?」の質問です。ええっ??どう答えて良いか、表現方法が難しいーーー 。地図の区画を指さしながら、その区画(ブロック)を更に細かく分けているものと説明しました。「丁目」がいくつか集まってひとつの集落になる。その集落が集まって町になるという説明をしました。「あなたの住所にも“丁目”はある?」という質問もありました。もちろん「有」です。ただ、自分の住所、きちんと台湾華語で言えなかったのは悔しかったなーー。台湾華語で言える漢字と言えない漢字があるのです。全部言えたら会話はもっと楽しいはず。単語って大事なんですね。

「嘉農新報」には「KANO」情報満載。
  
 

  これ、いいですね~。
  
 この場面、感動的でした。濱田先生がパパイヤにまつわるたとえ話で選手を激励するシーンですパパイヤ。「パパイヤは根っこに釘を打たれると、もうこれで最後だという危機感で、精一杯大きくて甘い実をみのらせる」という内容の話です。それを聞いた仲間が「今のアキラはパパイヤの木だ。だから投げさせてほしい」と懇願する場面、感動でした。

  
こ、こ、これは・・・・・
  


  永瀬正敏演ずる近藤教練監督が、自宅で「甲子園」と毛筆で書いたシーンが思い出されますかんどー。近藤兵太郎の妻カナヱ役の坂井真紀、二人の可愛い子役達が隣の部屋で将棋を指す場面も印象的です。


なんとそのシーンに私も挑戦です
IMG_20150919_080217079.jpg姿勢良いでしょ!!これは、スタッフさんの細やかでかつ厳しい指導の賜物です。右手の位置と毛筆の角度筆に始まり、視線は筆先に集中すること、そして左手の広げ方と手の位置まで指導がありました。筆を握ったのは久しぶりです。書道をすることに限らず、姿勢を正すこと、精神を集中させることから得る「清々しさ」を体験する機会になりました。日本人がどこかに置き忘れた美学を再び体験できた貴重な時間でした。あ~、でも右手がブルブルしたよーーっ震える


 「甲子園」という文字に込められた思い…、映画の場面がオーバーラップして感動です。
 

小沐は…   
 セルフ タイマーを使っての撮影に夢中です。撮影後、それをみんなで見て、笑って、楽しんで…。そんな様子を見るのが楽しいようです楽しい。私と会わない1年の中で、人に喜びを与える事の楽しさを学んだのですね。小沐、大人になりましたねスゴイ

でも、やっぱりやんちゃで可愛い~!!
私、小沐が大好きよ~ 


  素敵な二人ですね~ 
  
  

こんなイラストマップを発見!たくさんのサインで賑やか
  

これは~ハート。
  近藤教練監督役の永瀬正敏さんのサイン??私、「KANO」以来、永瀬正敏さんの大ファンなんですハート。。顔も好きハート。、声も好きハート。、芝居も大好きハート。って惚れこみようですハート。
  永瀬正敏さん、今年の夏は、ご自身が撮影した写真の個展が台湾各地で開催されました。10月1日には台北で映画「あん」のプレミア試写会に出演です。すっかり台湾がお気に入りのようです。だから余計に永瀬さんが好きになるのです。
「永瀬正敏、10月に映画「あん」PRで訪台へ」


 『KANO故事館』からは檜意森活村の庭園が見えます。着物の着付けも体験できるので、たくさんの台湾小姐が、大和撫子に変身です着物。そんな様子を見ているだけで嬉しいな~♪ ♪.
ここだけのどーでもよい話。実は、数年前に京都で舞妓さんの変装写真館へ行きました。後輩たち数名は可愛い舞妓さんmaiko、私は、その時点で既に舞妓やってる場合じゃない年齢だったので、芸妓に変装(変装するんかい~)。この変装写真なかなか、笑えます。本人は、川上貞奴 着物のつもりですが、正直、お茶屋の女将みたいでオソロシイ女将。)
 檜意森活村は、約1万坪の広さの敷地内は6つのエリアに分かれです当時林業関連の仕事に携わった人たちの宿舎28棟は、1914年~1944年の間に建設された木造建築物で、そこは別名、林業村とも呼ばれていました。改修にあたって、屋根瓦など日本から輸入した素材も多かったそうです。全て檜造りのこの家屋、100年以上経っているのに、これらの檜は朽ち果てるどころか、年月を経てますますいい味を出しています。この建物を大切にし修復・保存してくださった台湾の方に本当に感謝です。台湾のみなさん、本当にありがとうございます。 

『KANO故事館』には、日本統治時代の学生服や家財道具も設置されています。「ホームラン」「甲子園」「一球入魂」「天下嘉農」にまつわる横断幕や小道具の展示もあります。有名なシーンのスチールも並べられており、映画の記憶や感動が甦ります。
 
名残惜しいけど、『KANO故事館』を後にします。
  
  
 檜意森活村は、KANO故事館』意外にも、たくさんの見所があり、林業で栄えた当時の嘉義の生活を知ることが出来ます。ノスタルジックでそして、優しく懐かしい。そんな檜意森活村へぜひ訪れて下さい。私もまた行きたいです。そして、たくさんのエリアを見てみたいです。
檜意森活村
位址:嘉義市林森東路1號
開館時間:10:00~18:00
HP:http://www.hinokivillage.com.tw/

 嘉義観光情報 檜意森活村と、『KANO故事館』のパンフレット。野球ボールを模ったパンフレットの裏面は嘉義市内の地図が付いています。お勧めのショップ、カフェ、お食事処も紹介され、とても見やすいです。地元を愛する嘉義の皆さんの情熱を感じます。地元の人に愛される嘉義、その良さは、この街に降り立った瞬間に感じます。これが映画「KANO」ブームに終わらないよう願っています。ぜひ多くの方に訪れて欲しいです。
 

檜意森活村のある林森東路に出たとたん、こんな美しい光景が目に入りました。
嘉義の夕日 17點50分
林森東路と忠孝路の交差点まで駆けて、三人で夢中でシャッター切りました。


 嘉義の夕日 17點52分
日本から遠く離れた嘉義で見る夕日。日本で見るのと同じまんまるで美しい。地球の不思議、宇宙の不思議を感じます。


 嘉義の夕日 17點53分
キラキラ光る夕日に感動。
 


 夕日夕日大撮影会の後、脚踏車で次の目的地へ走りますあかチャリ 自転車。私の前を走る玉小姐さんの脚踏車あかチャリに二人乗りしている小沐は、「おいで おいでカモン」 「危ないよ~WARNING」 「ストップ手」っていうゼスチャーでずっと私のナビゲートをしてくれます自転車。頼れる司令塔小沐です。
 
 ちょっと道に迷いながらも次の場所を目指します。新生路や博愛路を通りやっとの思いで文化路へ入ります。私は、玉小姐についてゆくだけ。玉小姐、地図を見ながら、必死で探してくれます。(後で地図をゆっくり見たら、檜意森活村を越え、林森東路を西へ進み、文化路と交差する所を右折。文化路を北進すると簡単に行けることがわかりました)。嘉義の街、台北のような賑やかさやごちゃごやした慌ただしさがありません。道路を走る車も整然と走ってる。私のような道を知らない日本人が脚踏車に乗ってても安心です。大きなビルもなく、視界に入る夕刻の空は、大きくて広い。道のいたるところに日常そのものがあります。大きなパラソルを広げて野菜が売られてます。おしゃれなカフェや雑貨屋さんより、地元の食堂や商店が多いけど、そこには生活感が溢れてて、暖かい血の流れというか拍動感を感じます。迫り来る強い拍動ではなく、穏やかな拍動です。

 この場所を見つけた時は、「おおおおっ!!」って声出して喜びました
森林之歌(蛋塔) 


「森林之歌(蛋塔)」です。台湾縦貫鐵路と阿里山森林鐵路の中間に位置する場所にある高さ14メートルの珈琲色の蛋塔。両側に広がるトンネル部分を合わせると長さ55メートルにも及びます。これは、台湾で有名な王文志さんが創作した巨大な芸術作品です(2012年8月完成)。正式名は「森林之歌」ですが、その形から「蛋塔」という愛称で親しまれています。阿里山の籐や阿里山森林鐵路の枕木も使われているそうです。
森林之歌(蛋塔) 




森林之歌(蛋塔) 本体の部分は、樹木を束ねたものを一層一層積み重ねて造り上げられています。


 森林之歌(蛋塔) 黄藤のツルを一本一本手で編み上げて作られた長いトンネル。


森林之歌(蛋塔)これを手で編み上げたって、凄いことですよね。嘉義への思いと熱い情熱を感じます。この制作のきっかけとなったのは、阿里山の神木や籐蔓、阿里山森林鐵路の歴史だそうです。この森林之歌(蛋塔)」は、嘉義の林業興盛期の歴史を未来に繋げる希望の象徴だと思います。



 森林之歌(蛋塔) 蛋塔の中心部から上を見ると、そこには果てなき天空が広がります。昼間は、陽光が燦燦と降り注ぎ、光に包まれる感覚になるそうですおはよう。夜には放射線に広がる空間から見える星空がとても綺麗だそうです。夕刻のこの光景も、何とも言えない静寂と透明感があり、心洗われる思いです。


 森林之歌(蛋塔) 18點28分
夕暮れの静寂感の中でライトアップされます。何ひとつ物音がしない空間がそこにあります。


 森林之歌(蛋塔) 18點44分
夜の空気に包まれます。日常と離れた幻想的な世界が広がります。ここで何を思い何を感じるのか…、ぜひ一度訪れて感じて下さい。本当に、素晴らしい世界です。
 
森林之歌(蛋塔)
嘉義市東區文化路308號(檜意森活村を越え、林森東路を西へ進みます。文化路と交差する所を右折。文化路を北進します)。

作者紹介
王文志  台湾王文志(ワン・ウェンヂー) Wang Wen-Chih台湾
1959年台湾、嘉義縣生まれの嘉義縣在住。国立台北芸術大学美術学院修士課程修了後、フランスに4年間留学。籐、竹、木など自然の素材を用いた大型のインスタレーションを数多く手がけている。現在、台湾を拠点に活動中竹

 王文志さんの作品は、10月12日(月・祝)まで新潟市内各地を会場に開催されている「水と土の芸術祭2015」で鑑賞できます。http://www.pref.niigata.lg.jp/niigata_kouwan/1356816065884.html 
 過去には、2010年第1回「瀬戸内国際芸術祭」、2013年第2回「瀬戸内国際芸術祭2013」で竹を用いた作品「小豆島の光」が小豆島で制作・展示されました。台湾・嘉義からの制作チームと小豆島の中山村、肥土村の村民らが協力した日台合作の素晴らしいアートだったそうです。何を隠そう、私は、小豆島のある香川県出身、ちょっと嬉しいです。台湾の芸術家、本当に素晴らしいです。その土地の自然や風土を再説に現代アートを捜索していると思います。そんな台湾アートにもたくさん触れてみたいです台湾

 さて、夜の賑やかな嘉義の街を脚踏車あかチャリ 自転車で走ります。しかも無灯火で(笑)。お腹も空いてきました。今夜は、嘉義で何を食べましょうか??

では、続きはまた今度~。