母に教えられたことの一つは、お世話になったり何かもらったりしたら必ず礼状を書きなさいということです。
たぶん、これが全部ではないのでしょうが、母からの手紙をファイルしたものですが、ボロボロです。結婚したすぐ後までのものですから、ほぼ50年前までのファイルです。
ささやかなプレゼントに無邪気に喜ぶ手紙にちょっと胸が騒ぎます。
その点、父は書くのが苦手らしく、必ず1枚きりで、「母さんがやいのやいのいうので、書きますが」という前置きながら、送られたタバコ(どうやら、缶ピースを5箱送ったらしい)を吸う喜びは伝わってきます。
結婚後に書いて寄こした母の手紙。
何も心配することなく人生の第一歩をふみだしてくださいね。
よいひとを得、二人の幸せはこれからです。
努力してよい家庭をつくってくださいね。
考えているようなあまいものではないことをよくよく頭に置いて結婚生活に入ってください。
家庭というものは努力なくして築きあげられるものでないということを。
彼女を泣かせることだけはしないで下さいね。
まあ、あんまり守ってはいないけれど、とりあえず、もうすぐ、・・・あれ? 何年だっけ?
いずれにしても、礼状を書くという習慣だけは失っていません。