作家 吉井春樹 366の手紙。 -1503ページ目

[恋文]伝える気持ちを。

自分を出すのは怖い。

隠すものが残ってる方が、

余力があっていい、こともある。

弱い自分、ダメな自分、

悪い自分、いろんな自分。

つくってるわけではないけど、

キモチは環境によって、

すべての面を出すことは難しい。

もちろん、出す必要がないこともある。

何を感じているのか、

何を悟ったのか、

顔にも出さず、声にもせず。

だからこそ、さらけだす勇気は必要。

びくびくおびえながら、

どこかそわそわしながら、

タイミングを図ることは疲れる。

いつになっても、

どんなときでも、

さらけだす勇気を備えていたい。

[恋文]えんりょしてるばあい。

笑ってばかりはいられない。

長くなれば、長くなるほど、

見えてなかった、悪いところも、良いところも、

どんどん視界に入ってきて、

少しだけ、嫌いになって、

何百倍も好きになれる。

苦しいときに助けて、と言えて、

悲しいときに泣かせて、と言えること。

そして、何も言わずにそばにいること。

好きになるのは簡単だけど、

それを続けるのは大変なこと。

毎年、毎日、毎秒と、

好きな気持ちが積み重なるから、

いろんな壁を乗り越えられる。

どんな困難も、

笑って信じて忘れてしまえる。

あちこち遠回りして、

たくさんの人を傷つけて、

今こうして、二人でいられる。

だれの声も聞こえない、

だれの手も届かない、この場所に。

だから、ただ笑ってはいられない。

めいっぱい、幸せにしなきゃ、ならなきゃ。

[元気]やめはじめる。

始めることは簡単。

続けることは困難。

で、始めたことをやめることは、

続けた時間が長いほど困難。

で、始める前の思いが強いか、

やめるときの考えが浅いかで、

やめ続けることは、どんどん困難。

後悔っていうのは、

しない人はしないし、する人はする。

要するに、後悔に対する捕らえ方が、

その人その人で違うと思うわけです。

始めたいと思えば始めればいいし、

終わらせたければ終わらせればいい。

そしてまた始めたくなれば、始める。

またやめたくなったら、やめる。

つまり、何かを終わらせたつもりでも、

何かを始めたつもりだとしても、

それらは実は違う見方をすれば、

意味や価値すら変われど、

表面的な部分に関しては、

それほど変化しないんじゃないかと思うわけです。

一回目より、二回目のほうが、

二回目よりは、十回目のほうが、

それよりもちろん百回目のほうが、

きっとうまく続けられる可能性は高い。

でもそれと同時にやめる可能性も高まる。

まったくトリトメがないけれど、

無理にやめ続けなくてもいいよ、って思ったので。